PCX e:HEV 駆動系チューニング Vol.2

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JK型PCXクランクケース内

それではプーリー等の交換を行いますが

まずはクランクケースカバーを外してこの状態にします。

カバーの脱着作業やプーリー、ウェイトローラーなど

駆動系に関わる全ての作業は

ここのページで掲載しているので

今回は細かな作業は全て飛ばしますよ。

 
KN企画PCX用ドライブプーリー

まずはノーマル状態での

アイドリング時(停車時)のギア比を確認するので

右側のドリブンプーリーのベルトの位置を見ます。

これがJK型PCXの何もしていないノーマル状態の

停車時の状態です。

 

まずはそのままKN企画のドライブプーリーを取り付けました。

 
パワーアッププーリーボス463-1447100

軽く後輪を空回させてからベルトの位置を確認すると

ノーマル時よりもプーリーの外側に

ベルトが移動しているのが分かりますね。

プーリーからベルトがはみ出している状態なので

やはりJK型以前に発売された厚みが薄いドライブプーリーと

JK型の長いプーリーボスとの組み合わせでは

ドライブフェイスとプーリーの間が開きすぎてしまい

やり過ぎなくらいにローギヤードになったようですね。

ローギヤードになればなるほど

発進時のエンジン回転数が素早く立ち上がるので

スタートダッシュが速くなるのですが

ドライブフェイスとプーリーの間が開きすぎると

プーリーがベルトを挟む力も弱くなり

しっかり密着していない状態になるので

アクセル全開で発進させるとベルトが空回りしてしまいます。

特に発進時に大きなトルクを発生させる

JK06のハイブリッドモデルやPCX160では

よりベルトの空転が強く起こります。

ベルトの空転が多くなると駆動ロスが増えるだけでなく

発熱するのでベルト等にもあまり良くありません。

 

あと、JK型の長いプーリーボスと

過去のPCX用に発売されたプーリーを使う場合の注意点としては

クランクケースカバーとドライブフェイスのフィンが

干渉する恐れがあるので

必ずカバーを閉じる時に注意する事や

カバーを閉じてから手で直接ドライブフェイスを回し

干渉していないかを確認しておきます。

まあ、どっちにしてもJK型専用プーリーでない限り

JK型のプーリーボスを使うのはお勧め出来ないですね。

 

という事でJK型のプーリーボスよりも短い

パワーアッププーリーボスに交換しました。

JF81純正プーリーボス(22105-K97-T00)を

使っても良いですね。

ちなみにパワーアッププーリーボスは

付属の2枚のワッシャーを噛ます事で

JF81純正プーリーボスと同じ49mmの長さになります。

プーリーボスが短くなると

ドライブフェイスとプーリーの間が狭くなると同時に

全体のギア比がハイギヤードに移行します。

写真のようにボスワッシャーを数枚入れる事で

ギア比が軽くなっていくので好みのギア比に調整します。

 
PCX用ボスワッシャー

ちなみにボスワッシャーは

キタコから単品で発売されていて

0.5mm厚と0.3mm厚の2種類から選べます。

0.5mmのボスワッシャーを噛ますと

全体のギア比が約250回転ほどローギヤード側に移行します。

移行(シフト)するという事は

ギア比全体がローギヤード化するので

最終ギアに入った後の高回転域では

よりエンジン回転数が高くなる事になります。

なのでギア比全体の幅を広げるには

ドライブプーリー自体を変える必要があります。

 

これはJK型の純正プーリーとプーリーボスの

組み合わせ時のドライブプーリーシャフトの状態ですが

プーリーボスを短くした時の問題として

ドライブフェイスがシャフトのより奥に入るので

ナットとネジ山のベストな位置がズレていきます。

 

試しにキタコのパワーアッププーリーボスに

ボスワッシャーを噛ませずに48.2mmの状態で取り付けると

こんな感じになりました。

この状態でナットを固定すると

ナットの半分ほどがネジ山に掛からなくなるので

走行するとネジ山を破損する可能性があります。

 
90401-K48-A00

ナットのワッシャー(90401-K48-A00)を2枚噛ませる事で

物理的には解決出来るのですが

そもそも48.2mmのプーリーボスをそのまま使うと

ギア比が重くなりすぎるので

現実的なギア比ではないですね。

 
PCX用ボススペーサー

なので必ずプーリーが奥に入りすぎていないかを確認し

必要に応じてワッシャーを追加します。

 

KN企画のプーリーを使った場合の

ベルトが空回りしないギリギリを狙った

ベストなセッティングを探ってみると

JF81純正プーリーボスの長さ49mmに

0.5mmのワッシャーを2枚と0.3ミリを1枚噛まして

50.3mmのプーリーボスの長さになりました。

すると写真のようなベルトの位置になります。

これがまさに理想的なアイドリング時のベルト位置ですね。

 

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