PCX e:HEV 駆動系チューニング Vol.2 |
それではプーリー等の交換を行いますが まずはクランクケースカバーを外してこの状態にします。 カバーの脱着作業やプーリー、ウェイトローラーなど 駆動系に関わる全ての作業は ここのページで掲載しているので 今回は細かな作業は全て飛ばしますよ。 |
まずはノーマル状態での アイドリング時(停車時)のギア比を確認するので 右側のドリブンプーリーのベルトの位置を見ます。 これがJK型PCXの何もしていないノーマル状態の 停車時の状態です。 |
まずはそのままKN企画のドライブプーリーを取り付けました。 |
軽く後輪を空回させてからベルトの位置を確認すると ノーマル時よりもプーリーの外側に ベルトが移動しているのが分かりますね。 プーリーからベルトがはみ出している状態なので やはりJK型以前に発売された厚みが薄いドライブプーリーと JK型の長いプーリーボスとの組み合わせでは ドライブフェイスとプーリーの間が開きすぎてしまい やり過ぎなくらいにローギヤードになったようですね。 ローギヤードになればなるほど 発進時のエンジン回転数が素早く立ち上がるので スタートダッシュが速くなるのですが ドライブフェイスとプーリーの間が開きすぎると プーリーがベルトを挟む力も弱くなり しっかり密着していない状態になるので アクセル全開で発進させるとベルトが空回りしてしまいます。 特に発進時に大きなトルクを発生させる JK06のハイブリッドモデルやPCX160では よりベルトの空転が強く起こります。 ベルトの空転が多くなると駆動ロスが増えるだけでなく 発熱するのでベルト等にもあまり良くありません。 |
あと、JK型の長いプーリーボスと 過去のPCX用に発売されたプーリーを使う場合の注意点としては クランクケースカバーとドライブフェイスのフィンが 干渉する恐れがあるので 必ずカバーを閉じる時に注意する事や カバーを閉じてから手で直接ドライブフェイスを回し 干渉していないかを確認しておきます。 まあ、どっちにしてもJK型専用プーリーでない限り JK型のプーリーボスを使うのはお勧め出来ないですね。 |
という事でJK型のプーリーボスよりも短い パワーアッププーリーボスに交換しました。 JF81純正プーリーボス(22105-K97-T00)を 使っても良いですね。 ちなみにパワーアッププーリーボスは 付属の2枚のワッシャーを噛ます事で JF81純正プーリーボスと同じ49mmの長さになります。 プーリーボスが短くなると ドライブフェイスとプーリーの間が狭くなると同時に 全体のギア比がハイギヤードに移行します。 写真のようにボスワッシャーを数枚入れる事で ギア比が軽くなっていくので好みのギア比に調整します。 |
ちなみにボスワッシャーは キタコから単品で発売されていて 0.5mm厚と0.3mm厚の2種類から選べます。 0.5mmのボスワッシャーを噛ますと 全体のギア比が約250回転ほどローギヤード側に移行します。 移行(シフト)するという事は ギア比全体がローギヤード化するので 最終ギアに入った後の高回転域では よりエンジン回転数が高くなる事になります。 なのでギア比全体の幅を広げるには ドライブプーリー自体を変える必要があります。 |
これはJK型の純正プーリーとプーリーボスの 組み合わせ時のドライブプーリーシャフトの状態ですが プーリーボスを短くした時の問題として ドライブフェイスがシャフトのより奥に入るので ナットとネジ山のベストな位置がズレていきます。 |
試しにキタコのパワーアッププーリーボスに ボスワッシャーを噛ませずに48.2mmの状態で取り付けると こんな感じになりました。 この状態でナットを固定すると ナットの半分ほどがネジ山に掛からなくなるので 走行するとネジ山を破損する可能性があります。 |
ナットのワッシャー(90401-K48-A00)を2枚噛ませる事で 物理的には解決出来るのですが そもそも48.2mmのプーリーボスをそのまま使うと ギア比が重くなりすぎるので 現実的なギア比ではないですね。 |
なので必ずプーリーが奥に入りすぎていないかを確認し 必要に応じてワッシャーを追加します。 |
KN企画のプーリーを使った場合の ベルトが空回りしないギリギリを狙った ベストなセッティングを探ってみると JF81純正プーリーボスの長さ49mmに 0.5mmのワッシャーを2枚と0.3ミリを1枚噛まして 50.3mmのプーリーボスの長さになりました。 すると写真のようなベルトの位置になります。 これがまさに理想的なアイドリング時のベルト位置ですね。 |