HONDA CBR1000RR-R SP インプレッション Vol.3 |
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エンジン |
先代のCBR1000RRはエンジン出力が192PSでしたが 一気に26PSほど上がり218PSになりました。 車両重量が201Kgなので パワーウェイトレシオは1PSあたり0.9Kgという 恐ろしい動力性能になります。 ボアストローク比をホンダのmotoGPマシンである RC213Vのエンジンと同じにした事で 先代よりもショートストロークのエンジンになり 吸排気系もそれに適したサイズや形状になった事で より高回転域でピークパワーが出るエンジンになっています。 当然、そうなると低回転域が犠牲になるのですが 実際に乗った印象は、8000回転以下の領域では 過去一番遅いCBR1000RRのエンジンなんじゃないかと思うくらい トルクが貧弱に感じました。 特に公道を巡航する3000回転以下の領域では 本当に今、自分はCBR1000RR-Rに乗っているのかと 疑ってしまうほど1000ccとは思えないトルク感で まるでCBR600RRに乗っているかのように思えました。 |
しかし、8000回転を越えたあたりから まるで過給器が付いているんじゃないかと思えるくらい 爆発したようにエンジンが回りだし 1速では恐怖すら感じるくらいに急に速くなります。 特に1速ではマフラーの排気バルブが 5000回転以下の低回転域では閉じているので 開きっぱなしになる2速目以降と比べると CB400のVTECを思わせるような排気音の変化と同時に 加速フィーリングの変化が起こります。 とにかく低回転域と高回転域での加速フィーリングの差が激しい 典型的な高回転型エンジンなので 例えるなら600ccクラスのSSが持つ高回転型の加速フィーリングに 1000cc・・いや・・体感的には1300ccの爆発力を与えたような 想像するだけでも恐ろしい加速力です。 motoGPのマシンはどんな加速力なのだろうかと 時々想像する時がありますが もしかするとその領域を少し垣間見れるような範疇には 入ったのかもしれませんね。 |
P値 エンジン出力レベル |
ちなみにエンジン出力はフルパワーの1から最弱の5まで選べます。 フルパワーでも低回転域ではさほどパワーが出ないので 主に中回転域~高回転域でのエンジン出力が落ちます。 雨の日の公道を走るにしても 7000回転以上で全開加速する人はまずいないと思うので レベル1のフルパワーでも普通に走れると思います。 それよりも正しい使い方としては 制限速度を厳守して走るとなると CBR1000RR-Rの場合、ほとんどアクセルを捻る事が出来ないので 1速固定にするのは当然ですが、ある程度アクセルを捻りたいという 欲求を満たしたい場合には使えると思います。 ちなみに最弱のレベル5だとCBR650Rよりも遅い印象なので 100PSも出ていないのかもしれませんね。 |
T値 トルクコントロールレベル |
一般的にはトラコン(TCS)と呼ばれている 加速時に駆動輪の空転を防止する電子制御で 0のオフからレベル9まで豊富に選べますが 0の解除を行うと他の電子制御も連動してオフになり 電子制御が入った時に点滅するTマークが 常時点灯状態になります。 ちなみに走っている最中では1~9までしか選べず 停車時にこのメニューからしか0のオフを選べません。 ハイパワーマシンで一番怖いのは やっぱりハイサイドだと思うのですが レベル7以上くらいだと、ほぼ完全に防げる可能性が高いですね。 ただ、それだけかなりの頻度で強く介入してくるので 後輪をスライドさせる事が出来ないどころか 路面が少しでもうねっていたら すぐにTのマークのトルクコントロールランプが点滅し スロットルが自動的に閉じようとします。 公道を走る上で気をつけないといけないのは 段差などで一瞬だけ後輪が地面から浮くような所で 車体を発進させる場合で 極めて低速の状態でトラコンが動作すると アクセルを強制的に抜いた(加速出来ない)状態になるので 立ちゴケが起きる可能性があります。 とにかく時速1~2Km/hでトラコンが動作する事は 転倒の恐れがあるのでもっとも危険です。 なので、ストップ&ゴーが多い状況ではT値をあえて低めにして P値を下げる方が安全に走れます。 |
W値 ウィリーコントロールレベル |
加速時のフロントタイヤの浮き上がりを防止する電子制御で 0のオフから3まで選べます。 特に1速時の加速では エンジン回転数が8000回転を越えたあたりで Tマークのトルクコントロールランプが点滅するのですが このウィリーコントロールの介入による エンジン出力制御の為だと思われます。 レベル3だとフロントタイヤが浮くのを ほぼほぼ完全に抑えてくれるので 恐ろしい加速力にビビったら迷わず3で良いと思います。 |
公道では気になる発進時のエンスト耐性ですが 900回転あたりを切るとエンストしました。 アイドリング時は1400回転前後ですが クラッチレバーを戻してクラッチが繋がる一歩手前あたりで エンジン回転数が1800回転あたりまで自動で上がるので 平らな路面だとクラッチのみでのスタートも そこそこ余裕で出来ます。 アクセルを入れたとしてもSSのエンジンにありがちな ビュンビュンと過剰にレスポンスするような事はないので 普通に一般的なバイクのように発進出来ました。 公道で乗りやすくする為に意図的に レスポンスしないようにしているのかは分かりませんが 本当に3000回転以下の領域ではSSとは思えないような 生ぬるいエンジンレスポンスなので 信号機によるストップ&ゴーが多い 市街地ではそのぬるいエンジンレスポンスが 発進を楽にしてくれています。 |
マフラー |
文字ばかり読んでいると そろそろ中だるみしてくる頃だと思ったので ここでCBR1000RR-Rの純正マフラーである アクラポヴィッチ製チタンマフラーの空拭かし音を 用意しているのでよろしければどうぞ・・ CBR1000RR-Rの純正マフラー(メーターパネル前で収録) CBR1000RR-Rの純正マフラー(マフラー後方で収録) マフラー後方で録音した音声は爆音過ぎて 録音機のピーク音量を越えたのでリミッターが効いています。 間違いなく純正マフラーとしては過去最高に爆音です。 どうしてこの音量で 普通に販売出来ているのか不思議に思えるほどですが サイレンサーの入口には排ガスが通る2本の通り道があり 排気バルブの動作によってコントロールされています。 アイドリング時から1速5000回転あたりまでは 排気バルブが閉じているのですが アイドリング時の音量はかなり大きいので 夜の住宅街でエンジンを掛けるにはかなり気が引けます。 それでも車体自体は400ccクラスのバイク並に軽いので 手で押して適当な所まで行ってから エンジンを掛けるのも余り苦にならないと思います。 実際に走って3000回転前後で巡航している時には しっかり排気音が抑えられていると思います。 |
サイレンサーの中を覗くと 極太の完全にストレート構造のサイレンサーでした。 アクセル開度やエンジン回転数、速度によって 排気バルブが開くと バーーーーーーからパーーーーーンに排気音が変化して 一気に官能的なサウンドになります。 まるでCB400に採用されている 2段階ロケットのVTECような感じに近いですね。 |