HONDA CBR1000RR-R SP インプレッション Vol.2 |
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ライディングポジション |
サーキットに特化しているという事で そこそこスパルタンな前傾姿勢を強いられますが 不思議な事に嫌な感じが全くしないのです。 その理由を色々考えてみると・・ そもそも1000ccクラスのSSのイメージは とにかく燃料タンクが大きいので その山のような燃料タンクを覆うように前傾になって 腕が伸びきった遠くの所にハンドルがある印象でしたが このCBR1000RR-Rに関しては 燃料タンクの高さがほぼ250ccクラス並で 平べったい形状をしている事から 前傾姿勢の邪魔をしてこない事と ステップの位置が最初から後ろで高めの バックステップの位置にあるので バイクの上の方に乗っている感覚があり 自然と体が前傾になるので ハンドルの位置が近くに感じるのです。 なので実際にはハンドルまでの距離も そこそこあるのですが 思っていたよりは運転しやすい印象でした。 ただ、足の長いスタイルの良い方は 間違いなく足を極端に曲げて乗る事になるので ある程度、覚悟はしておく必要があります。 |
ハンドルの開き角も結構開いているので 脇を締めて運転するような感覚もなく ネイキッドのバイクから乗り換えても 違和感無く自然に運転する事が出来ますし このようにハンドルを一杯に切っても 燃料タンクとハンドルグリップとの隙間はそこそこ広いので 手が挟まれる事が無い所も良いですね。 これは手で車体を押した時も 取り回しのしやすさにも繋がりますが 決して取り回しが良いという意味ではありません。 |
燃料タンク |
樹脂のカバーで覆われていますが SPだとチタン製の燃料タンクになります。 燃料タンクの全容量は16Lという事で スリムな平たい形状が影響したのか 他メーカーの1000ccクラスのSSと比べれば 1Lほど少ない容量ですが 平たい形状のおかげで燃料タンクが ライディングの邪魔をしないので 運転のしやすさを考えれば仕方がないですね。 適当に公道レベルの速度域で回して走った実燃費は 1リッターあたり16.5Km前後だったので スペック表のWMTCモード値 16Km/Lはかなり近い数値だと思います。 信号機の無い山道を燃費走行で走ると 1リッターあたり20Kmオーバーも余裕で出せるとは思いますが そんな走り方をさせると 特に今回のCBR1000RR-Rでは全く面白くないと思います。 満タン給油時の航続距離は だいたい260Km前後くらいに思っていた方が良いですね。 |
シート |
スーパースポーツの典型的なシートというか かなり薄いクッションなんですが 何か新素材のクッション材でも使っているのか 手でクッションを押した時と座った時との印象が違っていて お尻がほとんど沈まない高反発な感触がありますね。 その為、クッション自体は薄くても 路面からのショックを上手く吸収してくれるので フレームから伝わる振動がお尻にほとんど響かないんですよ。 それはオーリンズサスペンションの おかげなのかもしれませんが 10年以上前のSSに乗っている人は 間違い無く感動するレベルだと思います。 しかも使われている生地の摩擦抵抗も適切なので お尻をずらしやすい割には 意図しない時のお尻のズレは防いでくれます。 |
足つき性 |
スペックシートの数値でもシート高が830ミリという事で 過去のCBRシリーズと比べても もっともシート高が高いのですが 身長170センチの短足が両足を地面に付こうとすると 指の付け根部分しか付きませんでした。 こういう中途半端に両足の一部が地面に付く状況が もっとも立ちゴケしやすいので お勧めはオフロード車に乗るように 足を着くときには必ずお尻を少し横にずらして 片足を付くようにした方が確実ですね。 シートの生地が良い事もあって お尻を容易にずらせるので苦にはならないです。 あと、ステップの位置もかなり後ろ気味の高めなので 足を地面に付ける時の邪魔になりません。 |
電子制御 Bosch製IMU(6軸慣性測定装置) |
ここが最新のハイテクノロジーな所で 昨今のSSの速さを支える核となっている部分なんですが 加速時のエンジントルク制御から ブレーキのABS制御と各ブレーキへの油圧制御 SPではサスペンションの減衰力制御までの全てが IMUによる車体の傾きや加減速から読み取った 6軸慣性情報を元に制御されています。 |
もうこの画面を見るだけで バイクのシミュレーターをやっているんじゃないかと 錯覚するくらいに色々設定を触れるので 初めて走る時はヘタすると 走り出すまでに30分以上は掛かるかもしれませんね。 走っては設定して走っては設定するの繰り返しで 自分の感覚に合うベストな設定を探るのが面白すぎます。 |
左ハンドルのスイッチボックスの所にある 上下左右のスイッチを使って画面を操作します。 たまに走行モード切り替えボタン(MODE)が 決定ボタンになる事がありますが 基本は左右ボタンのどちらかを長押しする事で 決定になる事が多いです。 この長押しが決定になっている事で 素早く操作する事の妨げになっているので 是非とも改善して欲しい所です。 とにかく初めて乗る時は夜中ではなく 日中に走る事をお勧めします。 あまりにもボタン配置が通常のバイクとは異なるので スイッチが見えない夜中に走ると ハザードを出しっぱなしにしてしまったり 無意味にホーンを鳴らす事になります。 左右ボタンとウインカーのボタンの感触が 結構似ている所も気になりますね。 |
ちなみにハイビームの切り替えボタンは スイッチボックスの少し裏側にあり 慣れるとかなり使いやすいスイッチなのですが 他のバイクに乗った時には困ります。 スイッチの形状も特殊で LAPボタンとも兼用になっています。 |
LAP機能をオンにする事で メーターパネル上にタイムが表示されるようになるので セルフでタイム計測が出来るようになります。 |
電子制御のアシスト具合が設定されている走行モードは A1~A3の3タイプからボタン一つで切替が可能で それぞれ自由にエンジン出力や 電子制御のアシスト具合を設定出来ます。 電子サスのSPではSのサスペンションの設定もあり 走行モードと同じようにA1~A3の設定が個別に出来ますし マニュアルでの設定もM1~M3まで3つの設定が行えます。 |
ちなみに右側のスイッチボックスは至って普通で キルスイッチ兼スターターのボタンしかありせん。 こっちにボタンを分けた方が 操作性が良くなるんじゃないかとも思うんですが 間違ってキルスイッチを押す可能性がある事を 嫌っているのかもしれませんね。 |