KAWASAKI Ninja ZX-25R インプレッション Vol.3 |
エンジン |
この250cc4気筒エンジンがZX-25Rの最大のウリであり ZXの名に恥じない性能を持った 国内の250ccクラス最高の45PSを誇るエンジンですね。 パワーは排気量に対してとてつもなく高いのですが トルクは最大で2.1kgf・mほどしかなく 他の250ccと比べると0.2kgf・mほどトルクが低くいので 加速に対してトルク感(加速感)が伴わず スーーーっと速度だけが伸びていくような 超高回転型エンジンの独特な加速フィーリングです。 過去に250ccの4気筒エンジンモデルに乗った事がない方は 覚悟して乗った方が良い事だけは確かで そもそも250ccクラスは2気筒エンジンであっても 低回転域ではトルクが貧弱なので それをさらに貧弱にしたのがこの4気筒エンジンになります。 4000回転以下ではほとんどレスポンスしないし カスカスのトルク感になるので 特に信号待ちからの発進では 6000回転ほど回るまでは相当我慢を強いられます。 ZXの名に恥じない刺激的な加速感を味わえるのは 10000回転を越えたあたりからです。 ちなみに刺激的と言っても加速感の事ではなく ZX-25Rでは排気音の事になりますね。 実際にカワサキのサイトにも ZX-25RとNinja250のエンジン性能曲線を 重ねたものを載せてありますが 全ての領域で2気筒エンジンのNinja250に負けていますが ZX-25RはNinja250のレブリミット付近である12000回転あたりから さらに上に伸びています。 つまり、Ninja250を加速でブっちぎるには 常に12000回転以上をキープする必要があります。 これはCBR250RRに対しても言える事で 2気筒エンジンでは到底回せない 超高回転の領域で加速の差を付けています。 その事を常に頭に入れておかないと 45PSを誇るエンジンとは思えない 遅く感じるバイクになってしまいます。 250ccの4気筒エンジンだからこそ出来る芸当としては 12000回転以上でブン回して走ったとしても 軽いギア比のおかげで 実際に出ている速度は体感速度の マイナス25Km/hくらいなので あたかもぶっ飛ばしているかのような レーシングな雰囲気を感じながら 安全に走りを楽しめます。 つまり、わざわざサーキットに行かなくても 近所の山道や何なら目の前の国道でも気軽に この超高回転型エンジンを100%堪能出来るのです。 停車さえしなければ、このZX-25Rは 誰にでも気軽に性能を味わえる ストレスフリーな至高のバイクだと思います。 どれだけ官能的な高回転型エンジンであっても 1速で150Km/h以上も出てしまうような性能だと サーキットでしか走りを楽しめないので いつでもどこでもエンジンを気軽にブン回せる所は ZX-10Rのオーナーが思わず嫉妬してしまう 250ccならではのZX-25Rの長所だと思います。 |
マフラー |
とりあえずレッドゾーンの17000回転までブン回した排気音を 収録してきたのでよろしければどうぞ・・ ノーマルマフラー(空ふかし音) かなり静かにしたV10時代のF1サウンド・・ というと言い過ぎでしょうか。 さきほどのエンジンの写真にも写っていましたが エキマニは4-2-1のタイプなので4-1に替える事で 本当にF1のようなサウンドを放てる可能性を秘めていますね。 エンジン下に集約したマフラーは実用的で 車体からのマフラーの飛び出しがない分 狭い駐輪所での取り回しが楽なので非常に有り難いです。 ただ、ZX-25Rの弱点の一つはこのマフラーにあり 見ての通り、カウルからはみ出すように サイレンサーや触媒の部分が下に飛びだしているので 最低地上高が125mmしかありません。 その為、他のバイクでは何でもない段差でも ZX-25Rではマフラーが地面に接触する可能性があります。 段差を通る場合はなるべく車体から降りて 手で押して通った方が良いですね。 |
トランスミッション |
正直、250cc~400ccクラスのカワサキのMTは 全メーカーの中でももっとも優秀というか進化していて 現行モデルのNinja250(400)から採用されている 止まっている時は1速からニュートラルにしか入らず 走っている時は1速から2速にしか入らないシステムは ZX-25Rでも健在です。 なので停車時にニュートラルに入らないとか 1速から2速に入れる時のギア抜けをほぼ100%防ぐ事が出来ます。 ギア比に関しては 6速時のエンジン回転数と速度を メーターパネルで見てみると・・ 4000回転:42Km/h 5000回転:53Km/h 6000回転:63Km/h 7000回転:73Km/h 8000回転:83Km/h 9000回転:93Km/h 9800回転:100Km/h でした。 特にエンジントルクの貧弱さをカバーする為に 1速目のギア比は相当軽いのですが 6速目でも高速道路では1万回転前後を回し続ける事になりますね。 ちなみにライバルのCBR250RRでは 6速7000回転で時速100Km/hに到達するギア比です。 CBR250RRは14000回転がレブリミットなので レブリミットの50%の回転数で高速道路を巡航するのに対し レブリミットが18000回転のZX-25Rは レブリミットの約54%の回転数で高速道路を巡航するので 相対的に見ても回転数が高めなのが分かります。 ちなみにエンスト耐性を調べてみましたが 1速に入れた時点でエンジン回転数が自動的に上がり 発進する体制になるので あえて坂道で試してみましたが クラッチだけでも普通に発進出来ました。 電子スロットルはこういう所でも活きてますね。 |