YZF-R125・R15 フロントフォークの突き出し調整 Vol.6

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YZF-R125(RE45J)トップブリッジ

タイヤやリンクを替えてローダウンしても

下がるのはリア側だけなので

今回はフロントフォークの突き出し量を

リアのローダウンした量に合わせて変更する事で

さらに足つき性が良くなりますし

前後の車高がノーマルと同じバランスに戻るので

コーナーリングのフィーリングに違和感が無くなります。

今回はリアタイヤによって約10mmほどしか

ローダウンさせていないので走行に違和感を感じない方は

突き出し調整は特に行わなくても良いと思います。

ただ、その場合は車体が尻下がりになる事で

ヘッドライトの光軸が上向きになるので

光軸を下げる調整を行います。

 
YZF-R125(RE45J)光軸調整

ヘッドライトの光軸調整をするには

ヘッドライト下の中心付近の車体左側にある

矢印の六角の頭部分を8ミリのスパナを使って回すか

ギザギザのギア部分にプラスドライバーを突っ込んで回します。

六角の頭部分を時計回りに回すと光軸が下がりますが

プラスドライバーを突っ込んだ場合は

反時計回りにドライバーを回す事で時計回りに回ります。

 
YZF-R125(RE45J)フロントフォーク突き出し量

フロントフォークの突き出し量を変更する場合は

まずはノーマル状態の突き出し量を計って記録しておきます。

YZF-R125・R15ではアッパーブラケット(トップブリッジ)の形状が

外側に向かって斜めになっているので

アッパーブラケットの内側と

写真の外側と2ヵ所を計ってくと完璧ですね。

突き出し量を変更する最中にも

左右の突き出し量を揃える為に突き出し部分を計るのですが

写真の外側よりも内側の方が計りやすいので

むしろほとんど飛び出していない内側の数値の方が重要ですね。

あと、フロントフォークに砂利や砂が付着していると

フロントフォークがスライドした時にキズが付いてしまうので

フロントフォークを固定している部分の下部分を清掃しておきます。

 
YZF-R125(RE45J)フロントリフトアップ

二人で作業を行う場合は

相方にフロント用のメンテナンススタンドを支えて貰って

ボルトを緩めた後のフォークの突き出し量を

メンテナンススタンドの持ち上げ具合によって

自由に変更する事が出来るので

丁度良い所でボルトを締めればそこで固定出来ます。

フロントフォークを固定している最後の1本を緩める時には

写真のように車体を持ち上げずに

下から支えている状態でスタンバイします。

 
YZF-R125(RE45J)エンジン底部

一人で作業を行う場合はエンジンの底部分を

自動車用の油圧ジャッキかパンタジャッキを使い

車体にキズを付けないようにゴムのアダプターか

分厚いゴム板を間に敷いてから

車体を持ち上げないように

そっとエンジンに触れる程度に下から支えます。

写真に赤い線を引いていますが

支える所はなるべく強度の高い所が良いので

平たい部分は避けた方が良いですね。

あと、出来るだけ車体の重心のセンターを支えないと

左右に車体が倒れようとするので

常にハンドルを掴んでおかないと不安定になります。

とにかく車体を倒さないように全力を尽くします。

 

油圧ジャッキやパンタジャッキでエンジンを支える場合でも

リアのメンテナンススタンドは使った方が良いですね。

サイドスタンドでも作業自体は行えますが

車体が斜めに傾くので

左右のフロントフォークで力の掛かり方が変わる為

左右の突き出し量を均等に合わせるのが難しくなります。

 
YZF-R125(RE45J)アンダーブラケット

まずはフロントフォークを固定している

左右のロア(アンダー)ブラケットの

ピンチボルト(六角穴付きボルト)から緩めます。

作業のコツとしてはボルトが抜けない程度に

最大まで緩めて下さい。

 

カウルが付いている状態だと長い工具が使えないので

一般的な六角レンチを使います。

 
YZF-R125(RE45J)アッパーブラケットとハンドルバー

最後に赤矢印のハンドルバーピンチボルトと

黄矢印のアッパーブラケットピンチボルトを緩めます。

何も支えていない状態だと最後の一本を緩めたあたりで

フロントフォークがアッパーブラケットから突き出してきますし

ジャッキでエンジンを支えている状態だと

車体の荷重がジャッキに乗るので車体を倒さないように

ハンドル等の車体を持って支えます。

 

フロントのメンテナンススタンドを使っている場合は

車体からスタンドを抜く方向に動かすと

フロントフォークが伸びてくるので

初期値から10mmほど伸びた所で

ハンドルバーピンチボルトと

アッパーブラケットピンチボルトを

15N-mくらいの力加減で適当に締めて止めます。

油圧ジャッキやパンタジャッキの場合は

初期値から10mmに伸びるまでジャッキのアームを下ろしますが

油圧ジャッキの場合は緩める方への微調整は難しいので

予め油圧を抜くネジは硬く締め付けない方が良いですね。

あと、油圧ジャッキは持ち上げる方には微調整が効くので

少し下げ気味にしてから

少しずつ上げた方が調整しやすいですね。

 
YZF-R125(RE45J)ロアブラケット締め付け

左右の突き出し調整が出来たら

とりあえず下側にある左右のアンダーブラケットも

適当に締めておきます。

これでスタンドやジャッキから車体を下ろせます。

 

車体を下ろしてから

左右のハンドルバーピンチボルトと

アッパーブラケットピンチボルトを

規定締め付けトルクの21N-mで締め付けます。

 
ショートヘキサゴンソケット

仕上げに下側にある左右のロアブラケットも

規定締め付けトルクの30N-mで締め付けますが

一般的なトルクレンチだとカウルを外さないと入らないので

ショートタイプのヘキサゴンソケットを使います。

 
YZF-R125(RE45J)アンダーブラケット締め付け

ハンドルを左右に切る事で

カウルとの隙間は多少変わるので

もっとも隙間が広くなる所で作業を行います。

 
YZF-R125(RE45J)トップブリッジ突き出し量

これでフロントフォークの突き出し量の調整は完了です。

今回は10ミリほど突き出し量をアップさせた程度なので

特に問題は起きていませんが

確実にフロントフェンダーとヘッドライト下までの隙間は狭まるので

フルブレーキング時に接触するなど

10ミリ以上アップさせる場合は

何かと問題が起きる可能性が高くなりますね。

 
YZF-R125(RE45J)停車時の車体角度

左:ノーマル  中:タイヤ交換のみ  右:突き出し量10mmアップ時

さらに車体をローダウンさせた時に問題となるのは

サイドスタンドを立てた時の車体が傾く角度ですが

20mm~30mmほど大きくローダウンさせると

サイドスタンドが相対的に長くなり

車体の角度が立ってしまい倒れやすくなるので

短いショートタイプのサイドスタンドに交換する必要がありますが

今回は約10mm程度のローダウンなので

フロントフォークの突き出し量を変更した後でも

14度近い角度を確保出来ているので

純正のサイドスタンドでも問題がない範囲に収まります。

経験上、12度以下になると駐輪時に気を遣う事になりますが

どの車体の角度であっても路面が斜めになっている所や

風が強い所では駐める向きに気を遣った方が良いですね。

 

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