SUPER SOCO TCワンダラー インプレッション Vol.5

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TC_WANDERERフロントフォーク

フロントフォーク

125ccクラスとしては太めの倒立フォークが付いていますが

28.6ミリのハンドルバーとこのフロントフォークによって

グリップを握った時に車体から伝わってくる剛性感は

125ccクラスとして見れば相当高く

もはや250ccクラスとも張り合える感触がありますね。

ただ、フロントフォーク自体の動きは

この価格帯の車両に有りがちな

動き始めにフリクションを感じるスムーズさに欠ける

典型的なフロントフォークですね。

セッティング自体はスクランブラーという事もあり

ソフトな印象なので路面に合わせて

柔軟に追従するセッティングだと思うのですが

その動きの渋さのせいで追従しきれていない事があります。

走行距離を重ねる事で動きの渋さも

多少はマシにはなっていくとは思いますけどね。

 
TC_WANDERERリアショックアブソーバー

リアサスペンション

デュアルレートのスプリングが使われていますが

リアサスペンションもセッティング自体は

ソフトな印象なので

お尻が痛くなるような強い突き上げを感じる事は無いのですが

基本的にストローク量が足りていないような印象を受けるので

もう少し柔軟に動けるストロークの余裕が欲しい所ですね。

プリロードの調整は無段階で行えるタイプなのですが

購入時には既に最弱の設定に合わせてありました。

サスペンション全体の印象は基本的にソフトなので

デコボコ道を速い速度で走らなければ

概ね快適に走れる印象でした。

 
TC_WANDERERフロントタイヤ

フロントブレーキ

原付二種なのにラジアルマウント式対向4ポッドの

モノブロックキャリパーが採用されていて

見た目はヤマハが採用している

元住友のキャリパーに似ていますね。

ただ、ローターの径は125ccクラスのスクーターサイズなので

見たことが無い特殊な組み合わせのブレーキですね。

制動力自体は250ccクラスの標準的な効きの印象なので

動力性能に対してかなり余裕があるブレーキだと言えますね。

ただ、EVという事もあって

パッドクリアランスは大きく取られているので

ブレーキレバーを握ってから

制動力が立ち上がるまでの遊びの領域は少し大きく

制動力の立ち上がりも緩やかな印象でした。

ただ、その遊びの分だけブレーキを掛けていない時は

パッドがローターに触れていないので

走行中のパッドの引きずり抵抗は

ドラムブレーキ並に抑えられていると思われます。

その為、アクセルオフ時にも速度が落ちにくく

惰性でより長く走る事が出来るので

航続距離に大きく貢献しているブレーキだと思います。

 
TC_WANDERERフロントブレーキ

ちなみにこのTCワンダラーには

回生ブレーキの機能が無いので前後とも100%油圧ブレーキです。

電動バイクで回生ブレーキが無いメリットは

ブレーキとモーターの制御が完全に分離している為

ブレーキを掛けながらでもアクセルを開ける事が出来る所です。

つまり、ガソリンエンジン車と全く同じ感覚で

違和感なく運転する事が出来ます。

回生ブレーキが使えないデメリットとしては

運動エネルギーや特に位置エネルギーを利用した

走行中の充電が出来ないので

山を登った時に帰りの下り坂で

登りの時に消費した電気を回収出来ない所ですね。

つまり、山坂道を登った時には

大きく電費が悪化してしまう可能性が高いです。

 
TC_WANDERERリアブレーキ

リアブレーキ

リアブレーキにも対向2ポットの

キャリパーが採用されているのですが

これもフロントキャリパーと同じく

パッドクリアランスを多めに確保した事での

ブレーキフィーリングの悪化を最小限に抑える為だと思われます。

原付二種という事で日本では

ABSかCBSの装着義務がありますが

TCワンダラーではCBS(コンバインドブレーキシステム)が

採用されているので

どちらか片方のブレーキレバーを握るだけで

前後のブレーキが掛かるようになっています。

CBSについては結構ネガティブな意見が多いのですが

唯一メリットとしては

左手だけブレーキレバーに指を掛けておけば

右手はアクセルだけに集中出来たりする所で

グリップヒーターの熱を全ての指に伝えたり

片手運転するには最適なブレーキだと言えますね。

ただ、片側のレバーだけの操作だと1本のレバーで

前後のブレーキに油圧を掛ける事になるので重いです。

 

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