SUPER SOCO TCワンダラー インプレッション Vol.3 |
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インホイールモーター |
後輪に収められたインホイールモーターが TCワンダラーの大きな特徴の一つなんですが パワーユニットがこの狭い空間に集約されていて 車体のフロントにあるコントローラーから オレンジの高電圧ケーブルで繋がっています。 走行音はほぼ完璧に無音状態なので チェーンで駆動している電動バイクよりもさらに静かですし 自転車よりも静かなのかもしれませんね。 加速のフィーリングは 発進時からトルクがドカンと襲ってくる モーターらしい加速感ではなく しっかりと調教されているようで 柔らかくてフワッとしたトルクの加速感です。 ネガティブな表現をするなら弱々しいとも言えるのですが まるで反重力装置でも使っているかのような 浮遊感のある独特な加速感が味わえます。 トランスミッションを積んでいない電動バイクでは 速度とモーターの回転数が必ずイコールになるのですが TCワンダラーに乗っていて最も気持ちが良く スムーズに加速が出来る速度領域は20~50Km/hでした。 とにかくこの速度域では今までに乗った どんな車両よりも加速が気持ち良いというか まるで地面から少しだけタイヤが浮いているかのような 独特な加速の気持ちよさがありました。 この時速20Km/hからという所がミソなので TSストリートハンターにしてもTCワンダラーにしても 停車時からのスタートダッシュは苦手と言えますね。 実はスペック表のある数値を見れば スタートダッシュ力を知る事が出来るのですが それは最大登坂角度で 坂を上る能力は停車時からの瞬間的な加速力に ほぼ比例していると言えます。 TCワンダラーの最大登坂角度は14度で 同じスペックのTSストリートハンターが15度なのですが その1度の差は後輪のタイヤ外径が TCワンダラーの方が大きいので その分だけギア比が高いからだと思われます。 ちなみに14度の坂道というのは 自転車で上るのが厳しい坂道だと思って頂けたら 想像しやすいと思います。 ちなみにアクセルレスポンスも しっかりモーターが調教されているので モーター駆動に有りがちな過敏過ぎる事も無く 角が丸まった扱いやすい特性なので 電動バイクに初めて乗る人でも違和感なく扱えると思います。 同じVmoto社の自動二輪規格の電動バイクである TC MAXでも角が丸まった扱いやすい加速特性だったので Vmotoはモーターの制御が上手いメーカーのようですね。 |
走行モード1の最高時速 |
次は走行モードの違いによる動力性能を見ていきますが まずはもっともエコなモード1で 後輪を空回しさせた時の速度を調べてみたら 時速50Km/hでリミッターが掛かりました。 各走行モードの違いは最高時速のリミッターだけでなく 加速時のトルク感も変わってくるので モード1は出来るだけ電費を伸ばして 長い距離を走りたい時に使うモードですね。 ちなみに実際に人が乗って走っても ちゃんと時速50K/hまで加速出来ます。 |
走行モード2の最高時速 |
走行モード2は1のエコと3のスポーツの中間なので ノーマルの走行モードとも言えるのですが 後輪を空回しさせると時速65Km/hでリミッターが掛かりました。 速度域が高い幹線道路さえ走らなければ この走行モード2で十分対応出来る速度域ですね。 |
走行モード3の最高時速 |
最後はもっとも動力性能の高い走行モード3ですが 後輪を空回しさせると時速85Km/hまで加速出来ました。 スペック表での最高時速は75Km/hですが 実際に人が乗って走ると やはり時速75Km/hあたりまでしか加速が出来なかったので 85Km/hは空回しした時だけの数字ですね。 つまり、下り坂の場合だと時速85Km/hまでは アクセルを捻る事で少しは加速が出来そうですし どのEV車両でも基本的に 下り坂でリミッターが効く速度以上を出すと 制御がおかしくなる可能性があるので 長い下り坂では必ず走行モード3に切り替えて走ります。 ちなみに最高時速が75Km/hという事は 坂道だと当然それよりも大幅に落ちるので 坂道によっては50Km/h代まで落ちる事はよくあるので 交通量の多い幹線道路では不安になる速度になります。 なのでTCワンダラーの動力性能を ガソリンエンジンに換算すると おそらく90ccくらいの動力性能だと思われます。 最大登坂角度である14度以上の坂道は 山奥に行かない限り滅多に見かけないのですが 最高時速のまま14度の坂道に突っ込んだ場合 だんだん速度が落ちていくので いずれは停車する事になりますが 短い坂道だと速度さえ乗っていれば 14度を超える坂道でも登り切る事は可能です。 |