TROMOX MINO-B インプレッション Vol.6 |
60Vのリチウムイオンバッテリー |
シートを外してさらにフロント側のカバーを外すと リチウムイオンバッテリーが現れます。 高い電圧を示すオレンジケーブルがあるので 感電事故を防ぐ為にもカバーを開ける時は 事前にブレーカーを切ります。 基本的に庭で充電が出来る一軒家の場合は まずここのカバーを開ける事は無いですね。 ヘッドライト等の電装品は この駆動用のリチウムイオンバッテリーを 12Vに落として使っているので 鉛バッテリーは積まれていません。 |
マンション住まいの場合は バッテリーを取り出して家に持ち帰りますが 車体のほとんどのスペースは この巨大なリチウムイオンバッテリーで埋まっていました。 MINO-Bは原付一種という事もあり このサイズのバッテリーでも EVバイクの世界では比較的コンパクトな部類に入ります。 |
家に持ち帰った場合はこんな感じで充電しますが バッテリーにあるボタンを押す事でLEDが光り バッテリーの残量が分かるようになっているので 満充電まで待たなくても任意の充電容量で止められます。 |
バッテリーの重量を量ってみると13.5Kgありました。 マンション住まいの場合は これを家に持って帰る事になると思うので そこそこ地獄なのですが 電動バイクの世界ではこれでも軽い方だと思います。 |
実際に電動バイクを使っていて気になったのは ガソリンエンジン車のようにギアを入れる事で タイヤをロックさせる事が出来ないので そこそこ急な坂道に駐めると転がっていく可能性があります。 なのでリピートタイやブレーキロッカーを使って ブレーキを掛けた状態で駐める方が安全なので 普段から常に車体に携帯しておいた方が良いですね。 まあ、そもそもバイクは 平らな場所に駐めるのが基本ですけどね・・ |
TROMOX MINO-B 総評 |
MINO-Bを一言で表現するなら グロムのEV版・・というのはあまりにも雑過ぎるのですが 50ccの区分に入る原付一種だと思って乗ると 加速力、制動力、剛性感、サスペンション、直進安定性など ありとあらゆる全ての要素で裏切られるので 体感的な車格は間違いなく 原付二種の125ccクラスだと思いました。 電動バイクの原付一種で言うと国内では ヤマハのE-VINOがかなり前から存在していますが 加速性能や航続距離を比べると MINO-Bの方が圧倒的に高性能なんですが 唯一MINO-Bが劣っている所があるとすれば 自治体からの補助金が出来ない所だと思います。 実際に乗っていてMINO-Bの一番残念な所は 回生ブレーキの制御で ブレーキレバーの握り具合によって リニアに強弱をコントロールする事が出来ないので 緩くレバーを握っても少し強めに回生ブレーキが掛かる事で ブレーキレバーを握ったり、離したりする事でしか 制動力のコントロールが出来ないのは残念ですね。 航続距離を出来るだけ伸ばす為にも 油圧ブレーキには頼らずに 回生ブレーキのみで走る事がEVの理想なだけに 回生ブレーキの制御が荒い所は今後の改善点だと思います。 満充電状態からの航続距離でも 80Km前後しか走れない事から 電動バイクをガソリンエンジンのバイクの代わりに乗るのは かなり無理があるので 近所のちょっとした買い物や 近所の山を散策するくらいしか出来ない事から 現時点で、MINO-Bクラスの電動バイクでは 電動キックボードの代わりになる乗り物くらいに 思っておいた方が良いのかもしれませんね。 ただ、一般的な電動キックボードと比べた場合 MINO-Bの方が圧倒的に安定して安全に走れますし 最高速度や制動力、航続距離でも圧倒しているので 家に電動バイクが置けるスペースがあるのなら 電動キックボードよりも 圧倒的に優れているのは明らかだと思います。 今現在、もっとも実用的なEVバイクの使い方は 短い航続距離でも対応出来る行動範囲内にあるのなら 通勤や通学用としてEVバイクに乗る事ですね。 特にお金が無い高校生にとって ガソリン代が掛からない事は大きなメリットだと思いますし 自分が高校生の時に MINO-Bがあったら良かったなと思ってしまいます。 私自身は少なくとも近所のちょっとしたお出かけは MINO-Bだけで済んでしまうので ガソリン車に乗る機会が大幅に減りました。 走行音が静かなので夜中でも狭い住宅街を平気で走れますし エンジンオイル交換など オイル類のメンテナンスが一切無いので ガソリン車と比べて大幅にメンテナンスする項目が減りますし ガソリンスタンドにも行かなくて良いので 庭だけで全てが完結出来てしまう所など とにかくおもちゃ感覚で気軽に乗れる所に 最大の魅力を感じました。 |