SUZUKI アルト F インプレッション Vol.1

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HA36SアルトF

グレード:F
カラー:ブルーイッシュブラックパール3
エンジン:660cc 直列3気筒
ミッション:5AGS
価格:847,800円

あえてNA(自然吸気エンジン)のアルトを選んだ理由・・

今回のHA36S型のアルトは

先代に比べて全高が低くなっていたり

大幅に軽量化された事や

小学生の頃から密かに憧れていたセミオートマチック(AGS)の

トランスミッションが搭載されるという事で

発売された当時から大注目していたので

NAのアルトバン、ターボのRS、アルトワークスの3台に

試乗したくらいでしたが

その中でも一番印象が良かったのがターボRSでした。

ですが・・

そもそも車重が軽い事が魅力でアルトに注目した訳なので

610~620Kg程度の重量しかない

ほぼ旧規格の軽自動車と同じ重量の

NAモデルにどうしても魅力を感じてしまった訳です。

少し軽量化するだけで夢の500Kg台に持っていけるという事からも

究極に軽量な自動車を作りたいと思った場合は

これほど魅力的なチューニングベース車両は他にない訳です。

加速が速い自動車はアルトワークスを選ばなくても

普通車も含めて世に沢山出回っていますが

620Kg前後の軽い自動車はほとんど見当たりません。

その軽量化に対する好奇心を満たしてくれるのは

NAモデルのアルトしかないと思った訳です。

 
HA36SアルトFエンジンルーム

52PS 6.4Kg・mのトルクを発生させるATモデルのエンジン

AGSやCVTを積んだATモデルのエンジンは

商用バンと同じエンジンを積むMTモデルよりも

高性能な所がポイントで

吸排気の両方にVVT機構を設けてあるので

主に高回転領域でのパワーの伸びが力強くなっています。

価格的にもAGSモデルとMTモデルは同じなので

このエンジンの性能差が

AGSモデルを選びたくなるポイントの一つになっており

燃費においても2.4Km/LほどMTモデルよりも優れています。

最高時速は軽自動車の限界のスピードリミッターが掛かる

140Km/hまで加速する性能を持っていて

その時のエンジン回転数は5速4800回転でした。

0-100Km/h加速では14.5秒~15.5秒ほどです。

Dレンジで加速をしたとしても

微妙にAGSの変速レスポンスが変わるので

タイムに少しバラツキが出ます。

ちなみにダイハツのエッセ(MT)は13秒台だったので

約2秒程度アルトが遅いのですが

主にAGSによる変速時のタイムロスが影響しています。

加速力自体はアルトの方が確実に速いと思います。

その事からも公道を走るにおいては過給器を必要とせず

むしろ動力性能的には余裕さえ感じられるほどですが

5速2000回転以下の回転数では

平坦な道で速度を維持して走るのがギリギリな感じなので

アクセルを踏んでもほとんど車体は反応しません。

アクセルに対してしっかりレスポンスさせるには

最低でも3000回転は回す必要があります。

ターボ車では2000回転あたりでもアクセルに対して

レスポンスが出来るトルクがあるので

市街地ではターボ車に対してプラス1000回転ほどエンジンを回す事で

ターボが無い分の動力性能を補う事が出来ますが

その分だけエンジンからの騒音は増えてしまいますね。

個人的にはこの軽量なアルトで

ターボのような過給器が必要な状況は

サーキットで1500ccクラスに匹敵するようなタイム、

あるいはそれ以上のタイムを叩き出したい場合や

4人乗車する事が多い状況の時だけだと思います。

1人乗車あるいは2人乗車の場合では

高速道路でも山坂道でも

動力性能に不満を持った事は一度もありません。

むしろ、4000回転からレッドゾーンの6500回転までの加速力は

過給器が付いているんじゃないかと思うくらい

力強い加速が出来るので初めはちょっとビックリするくらいでした。

 
HA36Sアルトエアフロセンサー

吸気の構造が微妙に違います。

CVTやAGSモデルの吸排気にVVT機構がついたエンジンでは

エアクリーナーボックスにエアフロセンサーが着いているので

インテークを自作するにもエアフロセンサーを取り付ける

汎用のアダプターを使ったり製作する必要がありますね。

MTや商用バン、ターボ車ではエアフロセンサーが無く

スロットルの所にあるバキュームセンサーを使っているので

インテークを自作する自由度が高いです。

 

実燃費では、市街地走行のみで21Km/Lでした。

燃費走行を心がければ市街地でも23Km/L台までは伸ばせます。

エアコンを掛ける夏場ではそこから約2Km/Lほど落ちます。

信号がほとんどない山道での走行では最高で27Km/Lほど伸びるので

CVTに対してAGSの欠点としては

変速時のロスが大きいので停車からの発進を繰り返す状況では

大幅に燃費が落ちてしまう傾向がありますので

いかに1速~3速までの間で

アクセル開度を抑えながら加速出来るかが燃費を伸ばすポイントです。

ちなみに高速道路では飛ばし気味でも35Km/Lは走りますし

燃費走行を心がければ40Km/Lも夢ではありません。

MTと比べてAGSでは5速目のギア比がハイギヤードなので

より低いエンジン回転数で巡航する事が出来るのも

高速道路で燃費が伸びる要因です。

ちなみにメーターパネルの平均燃費は

実際にガソリン満タン法で試した結果

約0.2~0.3Km/Lほど多く表示されていたので

ほぼほぼ信用出来る数字なのではないでしょうか。

 
HA36Sアルトのメーターパネル

メーターパネル

タコメーターが付いていない

非常にシンプルなメーターパネルですね。

AGSなのでシフトポジションインジケーターは付いています。

燃費走行をする為にもタコメーターは付けたい所ですね。

 

電子制御

ほんの十数年前までは高級車にしか付いてなかった

電子制御による車両走行安定補助システム(ESP)が

標準装備されているというか付けていないと

車両の販売が出来ないので

コストに厳しいアルトのような低価格帯の自動車にも

メーカーはしぶしぶ付けている感じですね。

ABSも含めて電子制御の義務化によって

車体価格が約10万円ほど上がりました。

つまり、日本で一番安い乗用車は2018年現在で

このアルトやダイハツのミライースの85万円弱になりますね。

ほんの10年前くらいまでは65万円前後だったので

20万円ほど自動車の価格が底上げされた事になり

その大きな要因の一つがこの電子制御の義務化にあります。

ヘッドライトのレベリングシステムも手動式ですが

これも義務化されているので標準で付いていますね。

ほとんどの自動車は自動で光軸を調整する

オートレベリングになりましたが

逆に手動式の方が車高のチューニングをする場合

自分で車高に合わせて調整が出来るので好都合ですね。

ちなみにESPを動作している状況では

どのようなチューニングをしてもアンダーステアになります。

 

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