SUZUKI アルト F インプレッション Vol.6

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HA36SアルトFローダウン

2018 アルトF AGSの総評

とにかく車体が軽い所が何よりも素晴らしく

加速力や燃費、ブレーキングに至るまで

全てが軽自動車の最高レベルの性能を発揮してくれますが

コーナーリングや直進性に関しては

タイヤの特性やサスペンションがフニャフニャな事で

車体の軽さを生かせていないというか

車体の軽さを全て燃費の為に捧げたような特性でした。

本当は凄いポテンシャルを持っているのに

近所に買い物に行くのに

最良なチューニングを施された事によって

自動車として牙を抜かれた状態になっているように思えます。

なので足回りやボディ剛性を高めた

NA版のアルトワークスがあっても

面白いんじゃないかと思いましたね。

そのくらいターボが無くても十分に走れてしまう

動力性能がありました。

とにかく約85万円という価格に対して

走る、曲がる、止まるの性能が高い・・

実際には曲がるの部分は隠されている状態ですが

とんでもなくリーズナブルな自動車だと思いました。

もっとも安いクルマはもっとも遅いクルマではない

という所にお得感を感じずにはいられないですね。

ただ、性能や装備全てを含めて総合的に考えると

全てのアルトの中でもっともお得なグレードは

ターボRSだと思っていましたが

残念な事に2018年の年末に行ったテコ入れによって

ターボRSのグレードは無くなりました。

 
HA36SアルトFリアビュー

チューニングベース車両として・・

永遠のライバルであるダイハツのミライースと比べて

アルトが圧倒的に優れている所は

MT、CVT、AGSの3種類のトランスミッションから選べる所や

フラッグシップモデルのアルトワークスが存在してくれている事で

チューニングパーツに困らない所ですね。

エンジンの吸排気系パーツやフロントのストラットタワーバー以外は

ほぼ全てのパーツが流用可能なので

アルトワークスの良質な中古の純正部品を取り付ければ

2~3万円程度でこのNAアルトを

激変させる事も可能です。

お下がり品でパワーアップ出来るというもっとも美味しい

チューニングが可能なのはNAアルトならではの良い所ですね。

手軽にチューニング出来る環境が

このNAのアルトにはすでに備わっているので

自分の好みに1から作り上げていく面白さが

このアルトの最大の醍醐味だと思います。

 
HA36SアルトF

約1年間AGSのアルトFに乗って思った事・・

以前、ダイハツのエッセに乗っていた事もあって

非力な660ccのNAエンジンでも車体さえ軽ければ

公道では動力性能に不満が出ない事は分かっていましたが

今回のアルトFのAGSでは

エッセよりもさらに90Kgほど軽いという事で

正直、想像を越えた動力性能でした。

公道では燃費の良さがそのまま速さに繋がる事も

このアルトに乗る事によって実際に体感する事が出来ました。

燃費が良い分、それだけアクセルを踏み込む余裕が出来るので

その余裕の分だけ巡航速度に反映されるので速いんです。

燃費を無視して爽快にアクセルを踏み込んで走ったとしても

17Km/L以上は余裕で走るので

ターボの軽自動車や普通車からすれば

エコ運転の範疇に入ります。

正直、今まで乗ってきたどのクルマよりも

燃料を無視してアクセルを踏めるので公道では速いです。

加速力の最大値でいえば

NAのアルトは大した事がないのですが

時速100km/hまでしか出せない日本の公道では

車体の軽さだけでなんとかなる領域なんだと

このアルトに教えて貰えたような気がします。

肝心のAGSなんですが

信号待ちの時にニュートラルに入れる派の人間にとっては

ぶっちゃけCVTやトルコンのATよりも楽です。

なぜなら、普通のATだと信号で停車した時の動作は・・

Dレンジ→Nレンジに入れてサイドブレーキ・・

発信する時にはNレンジ→Dレンジに入れてサイドブレーキ解除・・

さらにMTモードからだとS→D→Nと1工程増えてしまいます。

信号待ちの度にいちいちシフトレバーを

ガチャガチャ動かすのがかなりめんどくさいですよね。

所がAGSでは、時速5Km/h以下くらいになると

サイドブレーキを引くだけで同時にニュートラル状態になるので

信号待ちでは、サイドブレーキ・・

発進時にはサイドブレーキ解除・・

MTモードでもDレンジでもたったこれだけで済みます。

これが楽すぎるのでAGSの最大のお気に入りポイントになりました。

最近では安全の為に教習所でも

信号待ちの時はニュートラルに入れる事を推奨していますからね。

サーキットや峠道の事しか考えないのなら

100%MTモデルを選びますが

ほとんどが通勤や買い物でときどきワインディングを走る・・

そんな生活スタイルではAGSが最良でした。

ATみたいに楽だけど、MTみたいに楽しい・・

だけど本格的にマシンを速く走らせるには向いていない・・

これが約1年間AGSで走った印象でした。

クルマに興味がない人にとっては

Dレンジがアホすぎて使えない事や

MTモードでも変速時にアクセルを抜くような操作をするのは

苦痛でしかないかもしれませんが

シーケンシャルMTを心の底から待ち望んでいた人間にとっては

その特別な操作の一つ一つが楽しく思えるのです。

AGSはあくまでセミオートマチックなので

人間がAGSに合わせて操作してあげる必要がアルト思いますし

今回のアルトではAGSの特別な操作感も

間違いなく魅力の一つになっていると思いました。

 

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