以前、ダイハツのエッセに乗っていた事もあって
非力な660ccのNAエンジンでも車体さえ軽ければ
公道では動力性能に不満が出ない事は分かっていましたが
今回のアルトFのAGSでは
エッセよりもさらに90Kgほど軽いという事で
正直、想像を越えた動力性能でした。
公道では燃費の良さがそのまま速さに繋がる事も
このアルトに乗る事によって実際に体感する事が出来ました。
燃費が良い分、それだけアクセルを踏み込む余裕が出来るので
その余裕の分だけ巡航速度に反映されるので速いんです。
燃費を無視して爽快にアクセルを踏み込んで走ったとしても
17Km/L以上は余裕で走るので
ターボの軽自動車や普通車からすれば
エコ運転の範疇に入ります。
正直、今まで乗ってきたどのクルマよりも
燃料を無視してアクセルを踏めるので公道では速いです。
加速力の最大値でいえば
NAのアルトは大した事がないのですが
時速100km/hまでしか出せない日本の公道では
車体の軽さだけでなんとかなる領域なんだと
このアルトに教えて貰えたような気がします。
肝心のAGSなんですが
信号待ちの時にニュートラルに入れる派の人間にとっては
ぶっちゃけCVTやトルコンのATよりも楽です。
なぜなら、普通のATだと信号で停車した時の動作は・・
Dレンジ→Nレンジに入れてサイドブレーキ・・
発信する時にはNレンジ→Dレンジに入れてサイドブレーキ解除・・
さらにMTモードからだとS→D→Nと1工程増えてしまいます。
信号待ちの度にいちいちシフトレバーを
ガチャガチャ動かすのがかなりめんどくさいですよね。
所がAGSでは、時速5Km/h以下くらいになると
サイドブレーキを引くだけで同時にニュートラル状態になるので
信号待ちでは、サイドブレーキ・・
発進時にはサイドブレーキ解除・・
MTモードでもDレンジでもたったこれだけで済みます。
これが楽すぎるのでAGSの最大のお気に入りポイントになりました。
最近では安全の為に教習所でも
信号待ちの時はニュートラルに入れる事を推奨していますからね。
サーキットや峠道の事しか考えないのなら
100%MTモデルを選びますが
ほとんどが通勤や買い物でときどきワインディングを走る・・
そんな生活スタイルではAGSが最良でした。
ATみたいに楽だけど、MTみたいに楽しい・・
だけど本格的にマシンを速く走らせるには向いていない・・
これが約1年間AGSで走った印象でした。
クルマに興味がない人にとっては
Dレンジがアホすぎて使えない事や
MTモードでも変速時にアクセルを抜くような操作をするのは
苦痛でしかないかもしれませんが
シーケンシャルMTを心の底から待ち望んでいた人間にとっては
その特別な操作の一つ一つが楽しく思えるのです。
AGSはあくまでセミオートマチックなので
人間がAGSに合わせて操作してあげる必要がアルト思いますし
今回のアルトではAGSの特別な操作感も
間違いなく魅力の一つになっていると思いました。 |