ノートオーラ インプレッションとe-POWERの取説 Vol.6

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ノートオーラ・EVモードボタン

加速力と燃費を両立する為のマニュアル操作

静かに走りたい時はEVボタンを押す事で

マナーモードになるので

強制的にエンジンを止めて走る事が出来ますし

EVボタンを長押しすることで

強制的にエンジンを稼働させるチャージモードになります。

この二つのモードを使い分ける事で

バッテリーの残量を自分自身でコントロールする事が出来ます。

通常、アクセルを踏み込めば

モーター駆動のe-POWERであっても

アクセルを踏み込む量に応じてエンジンの回転数が上昇するので

床までアクセルを踏み込めば

エンジンはレッドゾーンまでブン回ります。

つまり、ほんの一時的な急加速に対しても

バッテリーが枯渇しないように備えるので

エンジンがレッドゾーンまで回ってしまうのです。

一時的にでもエンジンをレッドゾーンまで回されてしまうと

大幅に燃費が悪くなるので非常に都合が悪いですよね・・

そこで急加速したい時には

事前にマナーモードに切り替える事で

エンジンがブン回るのを阻止する事が出来ます。

 
ノートオーラ・マナーモード

マナーモードが強制的に解除される条件

ただし、マナーモードで走り続けるには色々条件があります。

例えば、急加速させるにもモーター出力を

60%以内に抑える必要があるので

アクセルを踏み込み過ぎないように注意する必要がありますし

バッテリーの残量が1/4付近になっても

強制的にマナーモードが解除されるので

エンジンを止めて効率よく急加速するにも

ある程度のバッテリー残量が必要です。

時々、どの条件にも当てはまらないのに

強制的にマナーモードが解除される事がありますが

それはおそらく鉛バッテリーの残量が

少なくなった時だと思われます。

 
ノートオーラ・チャージモード

マナーモードとチャージモードを使うタイミング

e-POWERにおいて絶対にやってはいけない事が

山の頂上でバッテリーを満タン状態にする事です。

長い下り坂が続く事が予め分かっている状況なら

予めマナーモードを使う事で

バッテリーの残量は半分程度にコントロールしておき

下り坂による位置エネルギーをバッテリーに回収出来る

余白を残しておく必要があります。

e-POWERではバッテリーが満タン状態だと

回生ブレーキが使えなくなるので

エンジンを稼働させてエンジンブレーキを利用し

普段の回生ブレーキを再現する仕組みになっています。

そうなるとエンジンを無駄に稼働させる事になりますし

位置エネルギーも捨てる事になるので

燃費にとっては最悪な状況に陥ります。

 
ノートオーラ・マナーモードでの航続距離

マナーモードでの最大航続距離

バッテリーを満タン状態にしてから

マナーモードが強制的に解除されるまで

どこまで走れるのかを試してみましたが

時速50Km/hのペースで信号機による発進停止を繰り返し

フラットな路面を走った場合、約6Kmほど走れました。

EVとして見れば絶望的な航続距離ですね。

 
ノートオーラ・ドラムブレーキ

ブレーキブースターの負圧の消費を抑えるワザ

先代のE12ノートではアクセルオフによる回生ブレーキのみで

車体を停止させる事が出来ましたが

E13ノートからはクリープ現象が再現されるようになったので

車体を停止させる時には必ず最後に

油圧ブレーキを使う必要があります。

それにより油圧ブレーキのブレーキブースターの負圧を

回復させる為だけにエンジンが約2秒ほど稼働してしまいます。

これが先代のE12ノートに対してE13ノートが劣る部分で

せっかくEVモードで静かに駐車をしても

エンジンが必ず少しだけ稼働してしまうのです。

アクセルペダルだけで車体を止められる所に

e-POWERの魅力を感じていた人間にとっては

これほど残念な事はありませんね。

少なくともクリープ現象を再現するなら

ブースターの負圧の為だけにエンジンを稼働させなくても良い

電動ブレーキブースターを採用するべきですね。

しかし、自分自身の手で改善する事が出来ます。

それはNレンジ(ニュートラル)を利用する事です。

車体が止まる寸前のクリープ現象の速度になったタイミングで

ニュートラルに入れる事で

最小のブレーキペダルの踏み込み量で停止させられるので

停車する時のブレーキブースターの負圧の消耗を

最小限に抑えることが出来ます。

それにより2回~3回くらいのブレーキ(停車)までは

エンジンの稼働を抑えられるので

あとは走っている時の充電時にブースターの負圧も回復します。

つまり、これでエンジンがブースターの為だけに

稼働する事はほぼ無くなります。

ここまでとことんやれれば

立派なe-POWERマイスターだと思います。

 
ノートオーラ・平均実燃費

ノートオーラの実燃費

燃費に関わる事ばかりやってきたので

最後に実燃費を計測してみました。

主に市街地を走った時の燃費は約25Km/Lでした。

これは急加速等をせずに

他の車両の流れに合わせて走った結果です。

ちなみにノートオーラのスペック表での

市街地の燃費は約26.9Km/Lです。

あと、何も考えずにそこそこ飛ばし気味で

気持ちよく走った場合は22Km/L前後になりました。

ちなみに気温が30度を超える日に

エアコン(外気循環)を稼働させて走った場合の燃費は

約3~4Km/Lほど落ちました。

 
ノートオーラ・最低実燃費

次は山の麓から頂上まで

アクセル全開走行で登り切った時の燃費で

おそらくこれがもっとも燃費が悪くなるコンディションだと思いますが

燃費は9.5Km/Lになりました。

これでも油圧ブレーキを使う頻度は

タイトコーナーだけに限定しているので

約9割のコーナーでは回生ブレーキのみで走っています。

毎回油圧ブレーキを使うと

さらに燃費は悪化すると思われますね。

 
ノートオーラ・最大実燃費

最後に今まで掲載した全ての燃費向上スキルを駆使し

燃費走行に心がけて主に市街地を走った結果

30Km/Lを超えましたが・・

このノートオーラはホイールを15インチに落とし

バネ下重量を約30Kgほど軽量化している仕様です。

スペック表でもっとも燃費が伸びる

郊外モードでも29.6Km/hなので

市街地走行のみでこの燃費が出せたのは

軽量化の影響が大きいのですが

とにかくe-POWERでは

回生ブレーキの使い方を極めて

油圧ブレーキを出来るだけ使わない事が

燃費にもっとも影響します。

e-POWERの魅力は燃費の良さよりも

滑らかで力強い加速フィーリングだと思うので

燃費を気にした走りをしてもあまり楽しくはないのですが

運転技術やモーターを操るテクニックだけでなく

そもそも車体に余計な荷物を積まないことが

燃費にとっては重要ですね。

 
ノートオーラテールランプ

ノートオーラの総括

最後はノートオーラのインプレッションとしてまとめたいと思います。

燃費を第一に考えるのなら

ハイブリット車の中では効率が悪いとされている

シリーズ式のe-POWERは選択すべきでは無いと思うので

素直にトヨタのディーラーに行くべきだと思いますが

様々なハイブリッドシステムの中でも

走りの面白さで言えばおそらく今の所

e-POWERが運転していてもっとも面白いと思いましたし

やっと買って良いハイブリッド車が現れたなと思いました。

すでにe-POWERの面白さは先代のE12ノートで知っていましたが

購入に踏み切れなかったのは

既存のノートにいかにも後付したようなe-POWERのシステム・・

という感じだったのでデザインも含めて

パッケージ全体として腑に落ちない所があったからなのですが

今回のE13ノートやノートオーラでは

いさぎよくe-POWER専用車両となった事で

デザインから性能まで車両全体に一体感が出ましたし

何よりコーナーリングの気持ちよさが

先代と比べて際立っていた事が

購入に踏み切った最大の決め手だったと思います。

ハイブリッド車のイメージとしては

加速と燃費は良いけど旋回性能は諦めないといけないという

イメージでしたからね・・

 
ノートオーラ

MT車からAT車・・特にCVTが採用された車両に乗ると

加減速時のレスポンスの悪さが気になりますが

e-POWERに乗るとむしろMT車よりも

鋭い加減速のレスポンスになるので

自然にMT車から乗り換える事が出来ますし

100%モーター駆動のレスポンスを味わってしまうと

一般的なCVTが採用された車両には

もう乗れなくなりますね。

MTのガソリンエンジン車で気持ちよく走るには

常にエンジン回転数を高めに維持して走る必要がありますが

モーター駆動のe-POWERでは

パワーバンドという物自体が存在しないので

パワーバンドからの解放・・

それがもっともモーター駆動のe-POWERに感じた

気持ち良さなのかもしれません。

個人的にはアクセルペダルだけで

車体を停止させられなくなった事は非常に残念でなりませんが

上質な内装に近未来を感じるEV顔・・

そして静かでイージーに速い・・

ノートオーラはそんな自動車でした。

 

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