ノートオーラ インプレッションとe-POWERの取説 Vol.2

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ノートオーラ・VDC設定

主にコーナーリングに影響する電子制御

もう少しだけコーナーリングの話をさせて下さい・・

日産ではVDC(ビークルダイナミクスコントロール)

と呼んでいる電子制御は

片輪にだけブレーキを掛ける事で

リアタイヤが滑るオーバーステアや

フロントタイヤが滑るアンダーステアを抑制する

一般的に横滑り防止装置と呼ばれている機能と

アクセルを踏んだ時に駆動輪の空転を防ぐ

トラクションコントロールの機能・・

さらに駆動輪の片輪が浮いたり空転して滑った時に

接地しているもう片方のタイヤに駆動力を伝える

ブレーキLSDの機能が集約されています。

サーキット走行等のスポーツ走行時には

横滑り防止装置が機能すると

車両が曲がらなくなるので機能をオフにしたい所なのですが

うまく機能するとタイムアップにも繋がる

TCSやブレーキLSDの機能も同時に失われてしまいます。

他メーカーの車両では

TCSだけを生かす事が出来る車種もあるのですが

ノートオーラではVDC全体のオンかオフしか選べないですね。

 
ノートオーラ・トレースコントロール

トレースコントロール

トレースコントロールは

VDCの横滑り防止機能を発展させたような電子制御で

VDCの横滑り防止機能は

明らかに介入している事がむき出しで

勝手に車両をコントロールされてるような気分になりますが

トレースコントロールはドライバーに気づかれないように

穏やかに介入するので

まるで運転がうまくなったような気にさせる電子制御になります。

トレースコントロールの動作としては

コーナーリング中に内側のタイヤに軽くブレーキを掛ける事で

より内側のタイヤが路面に接地するので

アンダーステアが出にくくなるのですが

同時にサスペンションのロール量も抑える事が出来るので

車体が安定した姿勢でコーナーを抜けられます。

デメリットとしてはコーナーリング中に

軽くブレーキが掛かる事で車速が多少は落ちるので

ごく僅かですが燃費に影響する事と

コーナーリング中に車体が少し重くなったような

フィーリングを感じるので

足周りを固めた場合はオフにした方が

気持ちよくコーナーを抜けられます。

ちなみにトレースコントロールをオフにすると

車体の電源を入れ直してもオフになったまま保持されますし

VDCをオフにすると

トレースコントロールも連動してオフになります。

 
FE13ノートオーラ・インバーター

e-POWERについてのおさらい

e-POWERはシリーズ式と呼ばれているハイブリッド方式で

エンジンは駆動系とは繋がっておらず

完全に発電機として動作し

エンジンが発電した電気をリチウムイオンバッテリーに貯めて

そこからモーターが電気を取り出してタイヤを回す・・

という流れになるのですが

どう考えてもエンジンが直接タイヤを回した方が

効率が良いのは容易に想像が付きますよね。

じゃあ、どこでガソリンエンジン車よりも燃費を稼いでいるのか・・

細かく言えばECUがエンジンの回転数をコントロールする事で

人間の右足よりも確実に効率良く運用出来る訳ですが

それよりも大きな割合を占めるのが回生ブレーキです。

ガソリン車のブレーキは運動エネルギーを

熱エネルギーに変換して捨てていた訳ですが

100%モーター駆動のe-POWERでは

アクセルを離すだけで

モーターが運動エネルギーを回収する事が出来るので

その気になれば一切油圧ブレーキを使わずに走る事も可能です。

なので・・

回生ブレーキのシステムを使いこなし

いかに油圧ブレーキを使わずに走れるかが

燃費を大きく左右するので

e-POWERのシリーズ式ハイブリッドでは

最重要ポイントになりますし

そこが他のハイブリッド方式では味わえない

ドライバー自身がコントロール出来る面白い要素にもなります。

そしてe-POWERで習得した

回生ブレーキをコントロールするスキルは近い将来

電気自動車に乗り換えた時にもそのまま生かせるので

少なくとも自動運転レベル4の車両が普及するまでは

これから自動車を運転するうえで

もっとも必要になる技能だと思います。

 
FE13ノートオーラペダル類

e-POWERのブレーキフィーリング

ハイブリッド車のブレーキと言えばどうしても

回生ブレーキと油圧ブレーキをミックスさせた

プリウスのブレーキフィーリングを思い出してしまうのですが

e-POWERの場合、フットブレーキの構造は

生粋のガソリン車と全く同じで100%油圧ブレーキです。

なのでガソリン車からの乗り換えでも

何の違和感もなくブレーキペダルを踏むことが出来ます。

ただ、先ほども書いた通り

e-POWERのシリーズ式ハイブリッドで

燃費を大きく左右するのは回生ブレーキの使い方なので

油圧ブレーキを踏むのは緊急時くらいにするのが

理想的な走らせ方になります。

 
FE13ノートオーラフロントブレーキ

油圧ブレーキ

強力な加速力を持つノートオーラに対して

少し頼りない小ぶりとも思えるブレーキが備わっていますが

アクセルを離した直後に回生ブレーキが掛かる事で

基本的に油圧ブレーキを使う時は

回生ブレーキの制動力をアシストする形になるので

この小さいブレーキでも

実際には十分過ぎる制動力があります。

回生ブレーキの操作を極めると

普段はクリープ現象を止める時くらいにしか

油圧ブレーキを使わないので

おそらくブレーキパッドは

余裕で20万キロ以上は持つと思います。

 

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