GSX-S1000 VS MT-09 合同インプレッション Vol.6

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RN69J型MT-09ラゲッジスペース

ユーティリティ・・MT-09

シートを外すとおそらくラゲッジスペースとされる場所が

写真右側あたりにあるのですが

配線がうじゃうじゃしているので使い勝手は悪いですね。

積載は3Kgまでとシールが貼ってありますが

ここに3Kgの荷物を積むイメージが全く想像出来ません。

 
RN69J型MT-09シート裏

シート裏にもわずかな収納スペースがあり

ゴムバンドを使って書類と

工具袋を固定する場所がありますが

よく見ると所々に車載工具が固定されていますね。

 
RN69J型MT-09車載工具と書類入れ

これがバンドを使って固定されている書類入れと車載袋です。

 
RN69J型MT-09キーシリンダー

ちなみにシートを外す時のキーシリンダーは

リアフェンダーの根元にあるので

後輪が跳ね上げた泥で汚れないように

普段はフタで隠れています。

これも初代から続くMT-09の伝統ですが

おそらく1gでも車体を軽くする為だと思われ

ワイヤーを介さずダイレクトに

キーシリンダーがシートをロックしています。

 
RN69J型MT-09ヘルメットホルダー

ヘルメットホルダーが標準装備されていますが

使いやすいコの字タイプなのも良いですね。

どうしてヘルメットホルダーが

全ての車両に標準装備されていないのか

バイクを買う度に不思議に思います。

 
EK1AA型GSX-S1000ラゲッジスペース

ユーティリティ・・GSX-S1000

GSX-S1000は一般的なスポーツバイク同様に

タンデムシート下にラゲッジスペースが用意されていて

そこそこ深さがあるので

MT-09と比べれば使いやすいと思いますね。

奥に工具も固定されていますが・・

 
EK1AA型GSX-S1000車載工具

GSX-S1000の車載工具はこんな感じの内容です。

 
RN69J型MT-09

MT-09の総評

冷静に考えれば弟分であるMT-07で必要十分ですし

日本人の体型には07の方がむしろフィットするのですが

よりワクワクするような体験をしたいのならMT-09・・

という流れになる訳ですよ。

しかし、MT-07に比べて過激な性能を持ったMT-09を

自由自在に操るにはそれなりの運転技術が必要でした。

でもそれは先代までの話であって

今回のMT-09は間違いなく

3代目にしてMT-09の完成形だと思ってしまいました。

初代から引き継がれている

軽い車体とパワフルでコンパクトな3気筒エンジンという

合理的で最強とも思える組み合わせにさらに磨きを掛け

出力アップと軽量化を達成すると同時に

フレームやサスペンションの強化に加えて

高性能な電子制御を装備したので

進化の度合に関しては正直、パーフェクトに近い内容だと思います。

これまでのインプレでも書いたように

重箱の隅を突くように細かい事を言えば

色々ある事はあるのですが

この車体価格からすれば上出来過ぎると思いますし

電子制御によってより多くのユーザーが

MT-09の性能を気軽に引き出せるようになった事は

何よりもバイクを安全に楽しむ上で重要ですし

圧倒的な先代との差だと思います。

とにかく先代の2代目から3代目にかけての

進化した幅が相当大きいので

同じMT-09を選ぶにしても年式で迷っているなら

値段が少々高くても3代目のMT-09を選んでおけば

間違いないと思います。

 
RN69J型MT-09リアビュー

MT-09目線でGSX-S1000を見る・・

やっぱり6軸IMUによる高度な電子制御に

もっとも優位性を感じますし

車体価格が安いのにも関わらず

高性能な電子制御を積んでいるって美味しすぎますよね。

IMUを積んでいないってだけで

何だかGSX-S1000が一昔前のバイクに思えてくるので

GSX-S1000が排気量マウントを取ってきたら

IMUマウントでやり返してあげますよ。

手で車体を押している時も

大型バイクならではの重さに対するストレスのような物は

ほとんど感じないのも良いですね。

それは車体が単純に軽い事もありますが

ハンドルバーが高い位置にあったり

幅が広い事も有利に働いています。

結局、大型バイクに乗らなくなる最大の原因って

車体の重さによる取り回しのダルさや面倒くささだと思いますが

そういうストレスがMT-09には無く

おまけにヘタな大型バイクよりも

圧倒的な動力性能を持っているので

大型バイクとしての魅力と

400ccクラスあたりまでが持つ気軽さの両方が

このMT-09にはありますよね。

とにかくMT-09は何をやるにもスマートなのです。

 
GSX-S1000

GSX-S1000の総評

先代のGSX-S1000はとにかく

SS譲りの高いスペックに対して

車体価格が圧倒的に安いのが魅力でしたが

今回の2代目GSX-S1000は

車体値段が30万円近く爆上がりしたものの

その代わりに初代GSX-S1000が抱えていたダメな所を

ほぼ全て克服してきた訳ですよ。

デザインが良くなった所が単純に一番分かりやすいのですが

手厚くなった電子制御や

優秀なクイックシフターの装備などもありますね。

あと、先代のGSX-S1000では

SS直系のエンジンを使っているだけに

過剰過ぎると思えるようなアクセルレスポンスなので

まったりツーリングをするには疲れる訳ですが

今回は電子スロットルに変更された事で

ドライブモードを選べるようになり

サーキットを全開で走ることも

ワインディングをマッタリ走る事も難なくこなせるので

より幅広い使用用途に対応出来るようになりました。

以前はGSX-S1000はちょっと過激過ぎるので

GSX-S750にしておこうかな・・

なんて思った方も少なからずいたのではないかと思いますが

今回のGSX-S1000ではスイッチ一つで

まるで排気量が小さくなったような落ち着いた走りも出来るので

もうGSX-S750は必要ないのかもしれませんね。

車体価格は確かに上がりましたが

この完成度、満足感の高さは

上がった価格以上の価値があるのではないかと思います。

 
EK1AA型GSX-S1000リアビュー

GSX-S1000目線でMT-09を見る・・

IMUを積んでいないのは時代遅れとか

一言で言うには簡単ですが

GSX-S1000の良い所は高価なIMUによる電子制御を行わずに

クランクやスロットル等の様々なセンサーを駆使して

電子制御を行うことで

より精度の高いTCSを実現出来ているのはもちろんですが

ほぼ電子制御を積んでいないカワサキのZ1000以外の

各メーカーのライバル車よりも断然

車体価格が低く抑えられていますし

その制御は優秀なクイックシフターの動作にも生かされています。

そのようなスズキが得意とするコストダウンの手法によって

本来は下のクラスであるMT-09と

今回、このように比較する事が出来ている訳なので

同じお金を出す場合、スズキ車なら他メーカーよりも

ワンランク上の車両に乗れますよという

コスパのスズキここにありですね。

3気筒だかクロスプルーンだか何だかよく分からないですけど

正直、4気筒エンジン以外はバイクじゃないですよね。

あの4気筒サウンドを聴けば

その意味がすぐに分かると思いますけど・・

4気筒エンジンのバイクから離れると

数年後に必ず襲ってくるのが4気筒エンジンに乗りたい病ですが

正直、MT-09の3気筒エンジンではその病は治せません。

いつでもドカンと加速が出来る

低回転域からトルクモリモリの余裕をぶっこいた150PSは

ある程度高回転まで回さないと本領を発揮出来ない

197PSのGSX-R1000のエンジンよりむしろ魅力的に感じますし

ましてやMT-09のエンジンでは味わえない

各メーカーのフラッグシップマシンだけが積む

SS直系のワンランク上の加速力を味わえます。

このGSX-S1000には大型バイクが持つ魅力の

ほとんどが詰まっていると思うので

まさに漢のロマンが詰まったバイクですよ。

まあ、お茶碗とお箸くらいしか持てないひ弱な体なら

軽いMT-09に乗っておけば良いと思いますけど

そもそも1000ccの4気筒エンジンのバイクとしては

決して重くはない重量ですから。

 

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