HONDA 2024 CBR600RR インプレッション Vol.4

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CBR600RR(8BL-PC40)エンジン

エンジン

2020年式からのもう一つの大きなウリは

なんと言ってもエンジン出力がフルパワー化された所ですね。

エンジン出力が絞られていた2020年式以前では

CBR650Rにエンジン出力で負けていましたが

2020年式以降ではCBR650Rを26PSほど上回る

121PSの出力を誇るので

リッターあたり200PSを超える

高性能なエンジンがSSの魅力でもあります。

2020年式以前とフルパワーとの圧倒的な違いは

低回転域と高回転域での加速フィーリングの高低差で

パワーバンドに入る11000回転あたりからは

豹変したかのような圧倒的なパワーの伸びが味わえるので

1速時の加速力は600ccとは思えないくらい過激です。

ただその分、低回転域ではトルク感が貧弱になる事で

市街地での走行では扱いにくさが出るのが

一般常識なんですが

おそらく電子スロットルの制御やギア比を軽くした事で

うまく誤魔化せているのか

特に何も気を遣うことなく

普通に街中をマッタリ走れてしまう所は予想外でした。

それでも一般的な同排気量のバイクと比べれば

エンスト耐性が強くないのは確かなんですが

スロットルのレスポンスを5段階で変えられる電子スロットルでは

発進時のアクセルを合わせる操作も

それほど気を付かわなくて済みます。

電子スロットルが採用される以前では

少しアクセルを捻っただけで瞬発的にビュン!と

エンジン回転数が上がり過ぎるくらい過敏でしたからね・・

もはやホンダの4気筒エンジンが滑らかに回る事も

当然の事なんですが

極めてレース志向な角が尖った

フルパワーのエンジンだからといって

何も身構える必要はなかったです。

 
CBR600RR(8BL-PC40)新旧ECU比較

左:2008年式              右:2024年式

ECUの大きさや繋がっている配線を見ても

2024年式では扱う情報量が倍くらいに増えていますね。

 
CBR600RR(8BL-PC40)ラムエアダクト

ヘッドライトの中心にあるラムエアダクトを覗くと

防水プレートが上に2枚見えるので

構造的には2013年式と同じっぽいですね。

 
CBR600RR(8BL-PC40)エアクリーナーボックス

ラムエアダクトから繋がっている

エアクリーナーボックスの内部で

エアフィルターを外している状態ですが

初期型では片側にフタがしてありましたが

2024年式では撤廃されていますね。

 
CBR600RR(8BL-PC40)新旧ファンネル比較

左:2008年式              右:2024年式

2020年式からはスロットルのボア径を

40mmから44mmに拡大された事もあり

初期型と比べると

明らかにファンネルの口径が大きくなっていますね。

 
CBR600RR(8BL-PC40)マフラーエンド

マフラー

お尻なんですがCBR600RRの顔とも言える

車体との一体感が美しいセンターアップマフラーですね。

まずは排気音を収録してきたのでどうぞ・・

2024年式CBR600RRの排気量

 
CBR600RR(8BL-PC40)新旧マフラー比較

左:2008年式           右:2024年式

エンジン出力が絞られている2020年式以前までは

マフラーエンドにバッフルが装着されていましたが

フルパワーの2020年式以降はバッフルがありませんね。

まさかこんな仕様のCBR600RRが

国内で普通に販売される日が来るなんて

2008年当時には夢にも思っていませんでした。

初期型の排気音はアイドリング時から静かな印象でしたが

2024年式ではぶっちゃけ、爆音なので

住宅街でエンジンを掛けるのはちょっと気が引けます。

 
CBR600RR(8BL-PC40)新旧エキゾーストパイプ比較

左:2008年式             右:2024年式

2020年式までは左のエキゾーストパイプでしたが

2024年式からはウネウネした形状に変更されていますね。

なのでフルパワーの2020年式と2024年式でも

最高出力が発生するエンジン回転数が違いますし

最大トルクも微妙に違っていますね。

 
CBR600RR(8BL-PC40)新旧センターパイプ比較

左:2008年式             右:2024年式

エキゾーストパイプの中間あたりを見ると

初期型は4-2-1タイプで

シフトペダルあたりで集合していましたが

2024年モデルでは4-2-1の2の部分が極端に短いので

ほぼ4-1のようなレイアウトになっていますし

過去もっとも厳しい排ガス規制をクリアしているので

特大のキャタライザーが使われていますし

キャタライザーの位置もよりエンジンに近づいていますね。

新旧の吸排気系を見てきましたが

フルパワーの2024年式では

明らかに高回転域でのピークパワーを狙った仕様に

変更されているようですね。

 
CBR600RR(8BL-PC40)クイックシフター

トランスミッション

シフトフィールは初代PC40型から同じで

ホンダ車特有のヌメっとした感じの

節度感が弱めなフィーリングですね。

2020年モデルから電子スロットル化した事もあり

オプションとしてアップ・ダウンの両方に対応した

クイックシフターが付けられましたが

2024モデルからは標準装備されました。

オプションと標準装備の部品には大きな違いがあり

標準装備の部品では車体の製造が終了しても

10年間はメーカーが在庫する義務があるのですが

オプションの部品にはその義務がない為

大抵は車体の製造終了と共に消えてしまいます。

なので特にクイックシフターのような

転倒した時に破損する可能性がある部品では

標準装備する意味がとても大きいですね。

6速時のエンジン回転数と速度の関係はメーター読みで・・

2000回転:31Km/h 3000回転:50Km/h 4000回転:68Km/h

5000回転:86Km/h 5600回転:100Km/h でした。

ギア比に的にはSS特有の1速目のギア比が重く

2速~6速までがクロス化されているので

6速のレッドゾーンまで

きっちり使い切れるギア比になっていますが

その分だけ一般的な同排気量のバイクと比べれば

6速時の速度に対しての

エンジン回転数はそこそこ高めですね。

 
CBR600RR(8BL-PC40)駆動系

2020年以前のパワーが絞られている頃と

2020年以降のフルパワーとでは

1速目のギア比だけが違っていて

フルパワー仕様ではフロントのリフトを抑える為なのか

2020年以前よりもギア比が重くなっていますね。

ただ、2020年式ではリア側のスプロケット(2次減速比)の歯数が

1山分増えて41Tになり

2024年式ではさらに1山増えて42Tになっているので

2速~6速のギア比に関しては

歴代PC40型の中で、もっともローギヤード化されています。

これがフルパワー化されたエンジンの欠点でもある

低回転域でのトルク不足を補っている

一番の要因だと思われます。

 
CBR600RR(8BL-PC40)クイックシフターの設定

ちなみにクイックシフターはメニュー画面にて

3段階でシフトペダルの硬さが選べるので

軽い力でシフトチェンジしたい場合は1に設定しますが

もっとも硬い3だとある程度の力が必要なので

その分、ギア抜けのようなシフトミスが減るメリットがありますね。

 
CBR600RR(8BL-PC40)燃料タンク

燃料タンク

容量は初期型から2024年モデルまで同じ18Lですが

2020年モデルからは従来より高さが10mm低くなった事で

より低く伏せる事が出来る事から

伏せた時の空気抵抗は確実に減っていると思われます。

エンジン出力が絞られていた2013年式までは

カタログでの定地走行燃費は29Km/1Lでしたが

2024年式のフルパワー仕様では高回転型になった事もあり

やはり25.5Km/1Lに落ちていますね。

ただ、それでも2020年式と比べれば

2Kmほど燃費が良くなっています。

WMTCモード値においても2020年式と比べて

1Kmちょい燃費が改善されています。

ちなみに定地走行燃費は二人乗りの計測なので

信号がない山道や高速道路を1人で走った場合は

480Kmくらいまでは航続距離が伸びる可能性がありますね。

 

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