CB1300SF VS VFR800F 合同インプレッション Vol.4

HOME - GARAGE - CB1300 ・ VFR800 - Impressions

CB1300SF(SC54)エンジン

エンジン・・CB1300SF

4気筒エンジンなのにクラッチを繋いだ瞬間の

ごく低回転域からしっかりトルクが出る事もあり

アクセルを使わずに容易に車体を発進させる事も出来るので

懐が深いというか非常に扱いやすいエンジンですね。

加速のフィーリングは低回転域~高回転域まで

リニアにパワーが伸びる極めて大人な加速をしてくれますし

エンジンレスポンスに関しては

ライディングモードを切り替える事で

ある程度はユーザー自身でコントロールが出来ます。

そもそもアクセルに過敏に反応するエンジンではないので

ツアラーには適した疲れにくいレスポンスだと思います。

 
CB1300SF(SC54)エキゾーストパイプ

エンジンの振動に関しても

排気量にしては実に滑らかに回るので

微振動のような物は極めて少ないのですが

ハンドルバーの所で紹介した

防振ゴムのようなアイテム等によって

よりライダーに余計な振動が伝わりにくくしていますね。

 
CB1300SF(SC54)マフラー

マフラー・・CB1300SF

排気音量(アイドリング)は結構な大きさなので

住宅街でエンジンを掛ける時は気が引けるのですが

2020年モデルからエキゾーストパイプが4-1に変更された事もあり

音質はまるで絵に描いたような

ザ・4気筒エンジンという感じで

キメの細かさと1300ccの力強さが融合した

まさに至高のサウンドど言って良いですね。

空吹かしの排気音を収録してきたのでどうぞ・・

CB1300の排気音

 
VFR800F(RC79)エンジン

エンジン・・VFR800F

いにしえから続くホンダ伝統のV型4気筒エンジンで

しかもCB400と同じ、2バルブから4バルブに切り替わる

2弾ロケットのVTEC機構を備えている

個性が詰まり過ぎたエンジンですね。

7000回転から排気音が変わると同時に

加速力にも勢いが付くので

気分までもが思わず高揚してしまう

実にドラマチックな加速を味わえます。

2バルブの低~中回転域では

V型エンジンならではのドコドコ、ドロドロした

加速フィーリングなんですが

VTECが切り替わる7000回転からは

まるで直列4気筒エンジンのような

滑らかな加速フィーリングに変化しますが

それでもV型エンジンのドコドコしたフィーリングも

かすかに残っているので

普通の直列4気筒エンジンとは違う

独特な加速フィーリングが魅力ですね。

VTECが入ってからは

レッドゾーンまで気持ちよくブン回るエンジンなので

ツアラーとは言い難い

極めてスポーツ志向な高回転型のエンジンだと思いましたが

その分、エンスト耐性は低いので

ごく低回転域でのクラッチ操作には気を使った方が良いですね。

 
VFR800F(RC79)ラジエター

車体前方に大きく飛び出したエンジンヘッドによって

大型のラジエターが設置出来ない為

先代のRC46型では

左右のミドルカウルにラジエターが固定されていましたが

RC79型ではラジエターを上下2つに分ける事で

ヘッド部分を避けています。

 
VFR800F(RC79)オイルクーラー

高性能なエンジンの証でもある

オイルクーラーも装着されているのですが

ヘッドライトの裏に設置してありますね。

このように車体のフロント側にラジエター等が集約された事で

前後重量バランスはフロント:120Kg リア:122Kgと

V型エンジンでありながらも

理想に近い重量配分になっていますね。

ちなみにCB1300SFはリアの方が6Kgほど重いのですが

フロントにカウリングが付いたCB1300SBでは

前後同じ重量になっています。

旋回時の車体の軽快さでは

V型エンジンを搭載している事もあり

CB1300よりも圧倒的にVFR800Fの方が身軽なので

243Kgもある車体の重量を忘れてしまほど

軽快なコーナーリングを行えます。

 
VFR800F(RC79)マフラー

マフラー・・VFR800F

2017年からはマフラーの構造が海外モデルと同じ仕様になり

過去最高出力になったので

完全なフルパワー仕様なんですが

その分、排気音も大きくなっていますね。

それでもCB1300と比べると静かに思えます。

V型4気筒エンジンの独特なサウンドなんですが

空吹かしではVTECが切り替わらないので

2バルブのままですね。

空吹かしの排気音を収録したのでどうぞ・・

VFR800Fの排気音

 
CB1300SF(SC54)シフトペダル

トランスミッション・・CB1300SF

シフトフィーリングはホンダ車に良くある

少しヌメっとしたフィーリングですね。

電子スロットルが採用されている事もあり

シフトアップとダウンの両方に対応した

クイックシフターがオプションとして用意されていますが

CBのフラッグシップマシンなら

標準装備させてほしかったですね。

ちなみにSPグレードでもオプション扱いですよ・・

クイックシフターを使った時に気になった所は

1速から2速へのギア比が少し離れているので

シフトアップ時の変速ショックが特に大きい所ですが

これはCB1300と同じく1速と2速のギア比が離れている

中型バイクあたりまでのクイックシフターあるあるですね。

なのでクイックシフターを装着していても

2速へのシフトアップ時だけは

クラッチレバーを使って繋げた方がスムーズだと思います。

6速時の速度とエンジン回転数をメーターで確認すると・・

1200回転:40Km/h 1500回転:50Km/h 1800回転:60Km/h

2100回転:70Km/h 2500回転:80Km/h 2800回転:90Km/h

3100回転:100Km/h でした。

平坦な道だと6速1000回転からでも加速が出来てしまう所に

このエンジンの扱いやすさを感じますね。

 
CB1300SF(SC54)燃料タンク

燃料タンク・・CB1300SF

もう見た目からして大きいのですが

ガソリンが入る量は大容量の21Lですね。

なので燃費はあまり良くないエンジンなのですが

満タン時の航続距離は市街地だと

400Kmに到達出来るかどうかなんですが

信号がない平坦な山道や高速道路だと

頑張れば600Kmに到達する事も可能かもしれませんね。

 
VFR800F(RC79)シフトペダル

トランスミッション・・VFR800F

VFR800Fでもクイックシフターは

オプションとして用意されていますが

昔ながらのワイヤーリンクのスロットルなので

シフトアップ時のみにしか対応していないですね。

ただ、注目すべき点はシフトフィーリングで

ホンダ車の中では過去ナンバー1と言って良いほど

サクっとキレが良く、節度感も丁度良いので

まるでホンダ車じゃないみたいです。

なのでVFR800に限ってはクイックシフターは必要なし!と

言い切りたい所なんですが

アシスト付きのスリッパークラッチが付いていないので

クラッチレバーが少し重いという事もあり

やはりクイックシフターの有無は

左手の疲労は大きく違ってきますね。

6速時の速度とエンジン回転数をメーターで確認すると・・

2000回転:46Km/h 2550回転:60Km/h 3000回転:70Km/h

3500回転:80Km/h 3900回転:90Km/h 4300回転:100Km/h

でした。

CB1300とエンジンの最高出力を比べても

6PS程度しか負けていないので

排気量あたりの出力では断然、VFR800Fの方が高く

レッドゾーン付近までしっかり回せば

VFRはカウリングによって空気抵抗が少ない事もあり

実はCB1300よりも加速力が高いのですが

なんせ排気量の差が503ccも違うので

低回転域でのトルク感では圧倒的に負けますね。

VFRの方がギア比が明らかに軽いのも

エンジントルクの差を表していると思います。

 
VFR800F(RC79)燃料タンク

燃料タンク・・VFR800F

CB1300よりもスリムに見える燃料タンクなんですが

ガソリンが入る量はCB1300と同じ21Lですね。

800ccという事もあり

CB1300よりも燃費が良いので

満タン時の航続距離は当然CB1300よりも

全ての走行状況において上回ります。

どうやら燃料タンクの容量が大きいのも

ツアラーの特徴なのかもしれませんね。

あと、CB1300との共通点としては

レギュラーガソリンという所もありましたね。

 

Vol.1 > Vol.2 > Vol.3 > Vol.4 > Vol.5 > Vol.6