ADV160 VS X FORCE 合同インプレッション Vol.4 |
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エンジン・・ADV160 |
後半のここからは主に走りに関わる部分を
見ていきたいと思いますが
先代のPCX150のエンジンから進化した点は
主に2バルブから4バルブに変わった所と
高圧縮比化が行われましたが
圧縮比が11.5の125ccのエンジンと比較しても
特に今回の160ccのエンジンでは圧縮比が12.0という
極めて高い圧縮比に設定されています。
それにより先代よりも1PSアップした事で
ライバル車よりも高性能な「エンジンのホンダ」は
PCXでも健在というインパクトを受けたと思います。
加速の特性的にも違っていて
先代のADV150のエンジンは
低回転域でのトルクが豊かな印象でしたが
ADV160のエンジンでは主に中・高回転域での
パワーの伸びが気持ちよくなった印象ですね。
現実的な話をするとCVTを採用するスクーターでは
エンジンの加速フィーリングを
直接感じ取ることが出来ないので
CVTのセッティングと相まって
そう感じさせられているのですけどね・・ |
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これは先代のPCX150やADV150の150ccエンジンから
そのまま引き継がれている要素なのですが
125ccのエンジンと乗り比べて最初に感じるのは
アイドリング時の車体の振動の大きさですね。
その最大の原因はアイドリング時の回転数で
125ccのエンジンと比べると明らかにアイドル回転数が大きく
約1800~2000回転ほど回っています。
なので125ccエンジンよりも何だか
粗々しい印象になってしまいますね。
もちろんそれは主にアイドリング時だけで
回り出すと荒々しさは感じないんですけどね。
まあ、メーカーにしてみれば
アイドリングストップ機能をせっかく装備しているのだから
それを使って話なのかもしれませんが
それによってアイドリング時の振動の問題から
逃げているのはどうかと思いますよね。 |
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マフラー・・ADV160 |
サイレンサーの構造等はPCXと同じなんですが
PCXよりもサイレンサーの角度が反り上がっているので
スイングアームとの固定箇所が変更されていますね。
やはりオフロード走行を想定している為なのか
サイレンサーにはプロテクターが沢山付いているので
転けてもサイレンサー本体には傷が付かなさそうですね。 |
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エンジン・・X FORCE |
ホンダの圧倒的なエンジンスペックの前に
ヤマハ勢のスクーターはひれ伏すだけかと思いきや
ヤマハの方はとっくの昔に4バルブエンジンを採用していますし
高圧縮比化を行っているので
今回はホンダがヤマハを追従してきた感じになりますね。
そして何と言ってもヤマハには
2段階ロケットのVVA機構が備わっているので
低回転域用のカムと高回転域用のカムが切り替わる事で
低回転域での分厚いトルクと
高回転域でのパワーの伸びを実現しています。
2バルブから4バルブに変わる
かつてのホンダのVTECエンジンのような
あからさまに排気音が変わる事はないのですが
僅かな排気音の変化と加速フィーリングが変化します。
もちろんその加速フィーリングの変化も
XフォースはCVTなので分かりにくいんですけどね・・
ADV160と比べてスペック的には
1PSほど劣っているものの
6000回転からメーターパネルに表示される
VVAの文字が現れた時の高揚感は
ヤマハのエンジンでしか味わえない独特な物があります。 |
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何より普段乗っていて
ホンダとヤマハのエンジンで一番違いを感じるのは
やはりアイドリング時で
ヤマハの155ccエンジンでは
シグナスグリファス等の125ccエンジンと
ほぼ同じアイドリング回転数なので
振動が大きく感じる事はありませんでした。
なのでADV160でアイドリングストップ機能を使わない状態だと
明らかにXフォースの方が振動が少なく快適ですね。 |
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マフラー・・X FORCE |
NMAXと同じエンジンなので
シグナスグリファスやXフォースも
全く同じマフラーが付いているのですが
サイレンサーのカバーによってそれぞれ個性を出していますね。
その中でもXフォースのサイレンサーカバーが一番シンプルですね。
あと、Xフォースの特徴としては
最初からフェンダーレスのような仕様なので
泥跳ね対策として
スイングアームにマウントするタイプの
リアフェンダーが装着されていますね。 |
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CVT(変速機)・・ADV160 |
クランクケース内に収まっているCVTは
基本的に初代PCXから現代まで部品の互換性があるのですが
少しずつ改良されながら熟成されてきました。
そして4代目にあたるJK型PCXやPCX160(ADV160)で
おそらく完成の域に達したのではないかと思われます。
そう感じさせるのは爽快な走行フィーリングで
高性能なエンジンと相まってストレス無く加速していきますし
プーリーのサイズもクランクケースカツカツのサイズで
変速する精度も高いのでしっかり端まで使い切れます。
125ccのJK型PCXでもADV160でも
基本的にCVTのセッティングは同じなので
排気量の違いはあっても似た加速フィーリングを味わえます。
ただ、問題としては
基本的に125ccのエンジンを想定した
CVTの設計だと思われるので
125ccのPCXでは問題が無くても
今回のような高性能なADV160のエンジンでは
レッドゾーンまで回りきってしまいますし
高速道路を走る場合はギア比的に余裕がないので
常にエンジンは高回転を回し続ける事になりますね。
なのでPCX160やADV160の最大の欠点は
明らかにエンジンの出力に対して
キャパオーバーしているCVTだと言えますね。 |
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CVT・・X FORCE |
XフォースのCVTはホンダと違い
明らかに125ccのシグナスグリファスとは
方向性が180度替えてセッティングされていました。
シグナスグリファスではどちらかというとADV160と同じで
加速フィーリング重視なのに対し
Xフォースの155ccエンジンモデルでは
加速時のエンジン回転数を低めにした
大人の加速をするセッティングに変わっているので
比較的静かに走る事が出来ます。
つまり、エンジンの余剰トルクを
積極的に速度に変換するセッティングなので
ADV160と比べるとスカッとしない
重い加速フィーリングに感じるのですが
速度自体は伸びているので
実際の加速力ではADV160とあまり変わらない感じになります。
ヤマハのようなツアラー寄りのセッティングが
加速において不利になる状況は
坂道や強い向かい風等の走行抵抗に弱い所ですね。
もちろんウェイトローラーを軽くする事で
ホンダのようなスカッとするトルクフルな加速方向にも
持って行けるので後からなんとでもなる要素ですね。
ホンダのスクーターと圧倒的に違う要素としては
ヤマハのクランクケースはサイズが大きいので
おそらく155ccのエンジンがベースの
設計になっていると思われます。
つまり、ノーマルの状態ではスペースにまだまだ余裕がある為
社外品の大きなサイズのプーリーに交換する事で
ギア比をさらに伸ばす事も可能です。
なのでエンジン出力的には
ホンダのスクーター勢に負けていたとしても
CVTの潜在能力を引き出す事で
エンジンでの1PSの差は簡単に詰める事が出来ます。
そもそもチューニングが盛んなシグナスの血統なので
豊富な社外品パーツを選べる所も
Xフォースの長所だと思います。 |
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