HONDA PCX ボスワッシャーによる加速の違い Vol.3

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PCXボスワッシャーと回転数

左:ノーマル  中:0.5ミリ厚  右:1.0ミリ厚

それではボスワッシャーを噛ます事で

ギア比がどう変わるのかを見てみます。

時速100Km/h時のエンジン回転数を比較してみると

ボスプーリーの長さが0.5ミリ変わると

約250回転分の差が出ることが分かりました。

タコメーター自体もプラスマイナス70回転ほど誤差が出るので

他の走行結果も踏まえて出した数字です。

時速で約30km/h~80Km/hの領域では

ウェイトローラーの重さによる変速の影響が大きいので

ボスワッシャー(プーリーボスの全長)の影響は少ないのですが

停車からの発進時と時速80Km/h以降からの

エンジン回転数には大きく影響を与えます。

 
PCXボスワッシャー比較

それでは実際に走行テストを行ってみます。

左:ボスワッシャー無し VS 右:ボスワッシャー1.0mm対決で

ウェイトローラーは両方とも13gです。

グラフで違いを表示するよりも分かりやすいと思ったので

実際のメーターパネルで比較してみます。

それではスタート。

 

まずは蹴り出しの0.6秒地点。

右のボスワッシャー1ミリの方が

ギア比が軽いので回転数が跳ね上がります。

読み取りタイミングの差でメーターパネルの速度は同じですが

もう既に速度の差が出ています。

 

0.9秒地点。

まだボスワッシャーの差が強く影響する領域です。

 

変速が開始される2.3秒地点。

ここからウェイトローラーの重さによる変速の差が出てきます。

すでに速度の差は結構出ていますね。

 

3.7秒地点。

変速している領域なので2.3秒地点から

回転数がほとんど変わっていませんね。

同じ13gのウェイトローラーなので

ボスワッシャー1ミリの方が回転数が少し高いのが分かりますね。

速度もリードしています。

しかし、500回転近く回転数に差が出るはずなのに

変速領域においては

そこまで回転数の差が出ないことが分かりますね。

 

5秒地点。

回転数が高いにも関わらず

ボスワッシャー無しに速度が追いつかれました。

 

6秒地点。

この領域も変速が激しいので速度は伸びていますが

先ほどからエンジン回転数は変わっていませんね。

 

10.6秒地点。

ここでもっとも重いギア(ドライブフェイスの外側)にベルトが移動し

変速が止まります。

そしてボスワッシャー無しの方がリードし始めます。

 

19秒地点。

もう変速しないのでエンジン回転数がどんどん上昇します。

ボスワッシャー無しが明らかに突き放しています。

 
PCXボスワッシャー比較

24.4秒地点。

ボスワッシャー無しが先に時速100Km/hに到達しました。

 

27.8秒地点。

遅れてボスワッシャー1ミリ厚の方が時速100Km/hに到達。

スタート時ではボスワッシャー1ミリ厚の方が

リードしていたものの

時速56Km/h地点で早々にボスワッシャー無しに追いつかれ

最終的には完全に負けました。

ボスワッシャーの1ミリ厚はさすがにやり過ぎで

駆動系全体の相性とは合わなかったみたいですね。

これがCVTのセッティングにおける不確定要素というか

複雑さなんですよ。

そもそもウェイトローラーの遠心力によって変速している

CVTの加速は不安定なので

計測する度に結果が微妙に変わりますが

平均的にこういう傾向になります。

 

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