Mazda ND ロードスター マフラーの消音作業 Vol.4 |
私は重要な事を忘れていました・・ 前回のサイレンサーで、このシリーズは完結したはずでしたが それは幌を閉じた状態での話であって ロードスターでは幌をオープンにした時の事も 考えなければならないのです。 色々試した結果、理想的なインナーサイレンサーは 外径77ミリの内径36ミリでパンチングパイプを採用していれば ベストなのですが、そんなサイレンサーは売っていませんでしたので そのデータを元に制作する事にしました。 という事で今回は、幌をオープンの状態で走ってもベストな音量に なるように調整すると同時に、今回はさらに音質にも拘って バッフルサイレンサーを制作してみたいと思います。 使ったメインの材料は・・ 先ほど使った外径が77パイ(内径36パイ)のサイレンサーと 外径が76パイのサイレンサーです。 76パイのサイレンサーは、バッフルがテーパー形状なら なんでも使えます。 それにパンチングされたステン板を丸めてパイプ形状にした物です。 これが基本の材料になります。 工具は主に、金切バサミと金切のこぎりで作れるようにしています。 |
まずは、金切ノコギリで切断した77パイの インナーサイレンサーのバッフル部分に 丸めたパンチング板をホースバンドを使って固定しました。 パンチング板の外径は、40パイくらいの口径になっているので それに合うステンレスのバンドならなんでも良いですね。 あえて溶接しない事で 誰にでも簡単にマネが出来るようにしています。 この一体物が最初から売っていればベストなんですけどね・・ |
そこに、76パイのサイレンサーのバッフル部分を 切断した物を通しました。 40パイのパンチングパイプに通るように うまく切断しないといけないですね。 テーパー形状のバッフルは、マフラーの外側に向かって 口径が絞られるように固定する事で スムーズに排気ガスが外に排出させる事が出来ますし 排気ガスの流速をより高める事が出来ます。 76パイという少し小さめのバッフルを 内側に使う事でマフラーにスムーズに差し込む事が出来ます。 |
76パイのバッフルが外れないように ステンレスのタイラップを巻きました。 パンチングの穴の大きさ(5ミリ)より細いライラップを使う事で 穴に通して巻けるので、タイラップ自体も確実に固定が出来ます。 このタイラップを巻き付ける位置によって 排ガスの抜ける量と消音材の量の比率を変えられます。 |
排気干渉を起こさせて消音材の効果を最大化させる為に パンチングパイプにキャップをします。 これでストレートに排気ガスが抜けるのを防ぎます。 キャップには、薄いステンレス板を使いました。 ステン板にパンチングパイプを押し当ててマジックで書いて形をとり その円よりも少し大きめに切断してキャップを作ります。 |
先ほど作ったキャップにステンバンドを巻いて固定しました。 これで、サイレンサーの骨格は完成ですね。 このバッフルとバッフルの間に好みの消音材を巻きます。 |
ついに完成しました・・ダブルバッフルサイレンサーです。 消音材には、キジマのアコスタフィルを使いました。 普通のグラスウールなんですが、1枚物に縫ってあるので 飛散しにくいのが特徴です。 グラスウールの目に見えないチクチクが嫌いなので 少々値段が高くても買ってしまいました・・ でも、サイレンサーに合わせてハサミで切るので 切断面付近は、どうしても飛散してしまいますね。 部屋で作業をしたので、無風状態にして ゴミ袋の中で軍手を付けて切断しました。 長袖は着ない方が良いですね。 切断する時は、テーパー形状のバッフルに合わせて 少しずつ幅を広げていくのがコツです。 消音材は、出来るだけ多く巻いて マフラーとの隙間を埋める事で、バッフルとマフラーとの隙間から 排ガスが抜けにくくなるので、音質が良くなりますね。 最後に消音材の上からステンのタイラップで 締め上げれば作業終了です。 |
マフラーにセットしました。 それでは排気音をお聞き比べください・・ 普通のインナーサイレンサー(外径77ミリ・内径36ミリ) ついに理想的なサウンドになったのかもしれません。 バッフルとマフラーの隙間から抜ける排気ガスを ほぼ完全に押さえ込む事が出来たので インナーサイレンサー特有の雑音が全く聞こえません。 テーパー形状のインナーバッフルを採用する事で 排ガスの流速をスムーズに速める事が出来るので キレのあるレーシーな排気音になったと思います。 制作作業は少し面倒なんですけどね・・ という事で・・・ |
ちなみに簡易版として先ほど使った内径30パイの パンチングパイプのインナーサイレンサーを使って 作ってみました。 飛散しにくいアコスタフィルをバッフルの外径よりも 大きく巻く事で排ガスをバッフルの隙間から 抜けにくくするのがコツです。 フタを付けると静かすぎるというか 抜けが悪くなりすぎて高回転域がしんどくなります。 フタを取り付けなくても十分静かでした。 内径が30パイだと高回転域での加速性能はダウンしますが 低回転域では純正マフラーより静かになり 高回転域では純正マフラー並の音量に出来ます。 内径が36パイだと高回転域でもパワーダウンしなかったので 30パイと36パイが音量を落とすのを優先するか 性能を維持するのを優先するかのちょうど境界線になります。 |