YAMAHA シグナスX SR インプレッション Vol.3

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シグナスX_SR

エンジン

エンジンの最高出力は、7.2kW(9.8PS)/7500rpmで

最大トルクが9.9N・m(1.0kgf・m)/6000rpmという事で

国内で売られている125ccのスクーターの中では

ぶっちゃけ、最低レベルのスペックです。

先代の3型のシグナスXのエンジン出力が11PS/8500rpmに

最大トルクが0.93kgf/7500rpmだったので

パワーは若干落ちたものの、その分トルクが増しているので

より低い回転数で最大トルクを発揮するようになっていますね。

つまり、最高速を落として加速力を良くした感じで

街中での実用的な加速力をアップさせています。

最高速度はメーター読みで101Km/hを記録しています。

 
シグナスX_SR

CVT(無段変速機)

シグナスXが他のスクーターと圧倒的に違うのはこれです。

変速機の設定なんです。

言うならば、設定が極めてスポーツ設定のCVTというか

もはやレーシングと言っても良いレベルなんです。

全開加速をするとエンジンスペックがウソなんじゃなかと思うくらい

実は、シグナスXは速いんですが

その加速力の理由は、このCVTの設定のおかげで

同クラスの他のスクーターでは

エンジン回転数が上がるのと同時に変速していく感じですが

シグナスXは、先にエンジンの回転数を一気に高めて

エンジンの一番パワーが出る所で変速させているのです。

MT車で言えば、レッドゾーンの手前までエンジンを

ブン回してから変速しているのと同じです。

その犠牲として、燃費が鬼のように悪く

色んな道を走って何度も燃費を測定しましたが

1リッターあたり34.5Km~35Kmほどでした。

これは250ccの2気筒エンジン並の燃費ですね。

 

停車からの発進時も、エンジンの回転数が上がるのを待ってから

クラッチが繋がるので、進み始めるまでワンテンポ遅いですね。

その特性のおかげで、まったり時速30km~40Km程度で

流すという事がシグナスXではもっとも苦手で

低いエンジン回転数ではほとんど変速しないので

エンジンだけが無駄に回ってしまいます。

6500回転あたりからやっとエンジン回転数と

変速のバランスが一致してくれる感じですね。

という事で、エンジン回転数と速度を記録してきました。

(徐々にエンジン回転数を上げた時の時速です)

4000回転:時速20km 5000回転:時速36km

6000回転:時速54km 6500回転:時速70Km

7000回転:時速80Km 9000回転:時速100Km

シグナスXを乗る上で、この極めてスポーツ思考なCVTの特性を

理解しておく必要があります。

 

サスペンション・・コーナーリング性能

サスペンションは見た目からの想像通り

前後共に硬く引き締められていてスポーティな設定なので

荒れた路面では車体が跳ねやすいのが難点ですが

鋭く切り返しをしても無駄な動きがなく、ピタっと収まりが良いので

峠道の下りではついつい攻めてしまいそうになりますね。

リアサスには3段階のプリロード調整機能付きな所も

シグナスXがスポーツ志向なスクーターの証です。

普段は、リアサスを最弱のプリロード設定で走れば

路面からの突き上げの強さも少しは和らぐので

シートのクッションの良さも相まって、思ったほど

不愉快な乗り心地ではないという印象ですね。

同クラスのスクーターと比べると、ハンドルに重さを感じるのですが

それはフロア下にある燃料タンクの重さによって

荷重がしっかりとフロントタイヤに乗っている事や

110幅の太いフロントタイヤの影響だと思われますが

フロントタイヤの接地感が非常に素晴らしく

安心してコーナーに突っ込んでいける感覚は爽快ですね。

バンク角も同クラスのスクーターよりは寝かせられる印象ですが

どうしてもマフラー側だと、マフラーを覆うカバー類が干渉しやすく

バンク角も浅くなってしまいますね。

 

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