スペック的にも見た目でも両車、非常によく似たエンジンですが
性格は全く違っていて、その違いは
シリンダーの内径とピストンの行程にあります。
グロムの内径×行程は、52.4mm×57.9mmなのに対し
Z125の内径×行程は、56.0mm×50.6mmなんです。
行程が長いロングストロークのグロムのエンジンでは
低回転域でのトルクが豊富で
Z125のショートストロークのエンジンでは高回転型になります。
通常、高回転型の方がピークパワーを引き出しやすくなるので
Z125のエンジン出力がグロムを上回っているハズなんですが
ややこしい事に、ピークパワーが0.1PSグロムより低いんですよ。
ショートストロークのエンジンがロングストロークのエンジンに
ピークパワーで負けると、もうどうしようもないじゃんって話なんですが
トルクでいえば、当然ショートストロークのZ125はグロムに惨敗で
1.1kgf/5250rpmのグロムに対し、Z125は0.98kgf/6000rpmです。
このトルクの違いは、乗ればすぐに分かるレベルで
低回転域でのトルクの違いは圧倒的です。
このままいくとZ125のエンジンは良い所が無い
ただのクソエンジンになってしまいますが
実際にはそんな事は無く
エンジンのフィーリングに関しては圧倒的にZ125の方が
吹け上がりが軽く、高回転域での素直なパワーの伸び感を
味わえるのでスポーティに感じます。
あとZ125のショートストロークの良さが出ているのか
振動に関しても全域でグロムより少ないですね。
グロムは特にアイドリングではミラーがブルブル震えて
風景が2重3重に見えるほどですが
Z125では、ほとんどミラーが揺れることはありません。
4000回転以下の領域では、圧倒的にグロムの方が力強く走れて
6000回転からの領域ではZ125の方が圧倒的に気持ち良く走れますが
最高速に関しては両車ほとんど同じです。 |