HONDA PCX クラッチスプリングの交換 Vol.1 |
今回はPCXのクラッチスプリングを交換します。 PCX純正のクラッチスプリングより 柔らかいスプリングに変える事で 発進時の駆動伝達効率がよくなるので ストップ&ゴーの多い市街地での燃費を延ばす事が期待出来ます。 さらにはアクセルを捻ってから車体が発進するまでの タイムラグを少なくできますし より低いエンジン回転数でクラッチが繋がるので 駆動伝達効率の高い低速走行が出来るようになります。 今回用意したブツは ホンダ純正 ズーマー用クラッチスプリング(22401-GEE-710)です。 PCXにはクラッチシューが3つあるので スプリングも3つ必要ですよ。 |
強化クラッチスプリングは簡単に手に入りますが PCX純正のクラッチスプリングより柔らかい物を選定するのは 様々なスプリングをテストする必要があるので苦労します。 |
ホンダ純正クラッチスプリングの硬さを順番に並べると おおよそこんな感じになります。 50ccのズーマー用のクラッチスプリング(22401-GEE-710)が ホンダの純正スプリングの中でもっとも柔らかい事が判明しました。 排気量(エンジン出力)に比例してクラッチスプリングが だんだん硬くなっていくような法則性がない事が分かりますね。 ただし、排気量の大きさに合わせてクラッチユニット内の シュー(摩擦材)の数は増えていく傾向があるので クラッチスプリングを使う数も増えます。 |
ちなみにPCX純正のクラッチスプリングの型番は22401-KVB-900で 初代のJF28からJF56、JF81の 全てのPCXで同じ物が使われています。 PCX純正の加速フィーリングが気に入っているなら 社外品クラッチユニットの中のクラッチスプリングを 純正スプリングに入れ替えるのもアリだと思います。 |
それでは実際にクラッチユニット内にある クラッチスプリングを交換します。 クラッチユニットを車体から取り外す作業の詳細は クラッチのページにて説明していますよ。 |
まずはプレートを押さえているE型のスナップリングを外します。 写真のような専用工具もありますが 先の細いラジオペンジでも代用可能です。 スナップリングの隙間に入れて ピンを軸にしてテコの原理で外すと簡単に外れます。 外れる時にスナップリングが勢いよく飛ぶので 片方の手でスナップリングを覆いながら外します。 |
スナップリングが外れても外側のプレートと 3本の軸の隙間の精度が高く 簡単には外れないので 隙間に出来るだけ先の鋭いマイナスドライバーを差し込んで ここもテコの原理で浮かせます。 一カ所だけを強引に持ち上げるとプレートが変形するので プレート全体を少しずつ浮かせる感じで外します。 |
外側のプレートが外れたら テンションスプリングツールを使ってスプリングを外します。 これもラジオペンチで代用可能ですが スプリングが傷付かないように注意する必要があります。 |
クラッチスプリングが外れたら軸からクラッチシューも簡単に抜けるので こんな感じで全体をバラす事が出来ます。 クラッチユニットへのグリスの使用は遠心力で飛んで クラッチの摩擦材を滑らせてしまうので基本厳禁なんですが 飛ばない程度というか馴染ませる程度なら 金属同士が触れあう所に使ってもアリだと思いますね。 |