HONDA PCX 動力性能の検証 Vol.2 |
今回はPCXの0-100Km/h加速を計測し 125ccのライバル車との差をグラフで表してみました。 計測の約束事としては身体を伏せない事と MT車はスタート時に2000回転以下で クラッチを繋げる事になっています。 スクーターでは車体が少しでも前に進んだ所から計測開始です。 アドレスV125やグロム、Z125は メーター読みで時速100Kmに到達する能力がないので 0-90Km/hまで計測しています。 気になるJF81型PCXの0-100Km/h加速は28.1秒でした。 スタートダッシュから時速30Km/hまではほぼ最速タイムで 時速50Km/hあたりまでは ライバルのスクーター勢と比べても速い事が分かりますね。 ヤマハ勢のスクーターと比べると体感的に スタート時はモッサリした加速というか トルクによる直進性が少ない感覚がPCXにあるのは ヤマハ勢よりもスタート時にクラッチがより繋がるように 駆動系がセッティングされているので 余剰トルクが少ない事が最大の理由だと思われ その分、トルクを効率よく速度に変換して加速しているので スタート時に力強さは感じませんが 決して遅い訳ではないというか、むしろ速い事が グラフを解析する事で分かりました。 これはリード125等ホンダのスクーター全般に言える事で 低回転域でのトルクが太いエンジン特性を生かして 燃費を良くする為にトルクによる加速感よりも 前に進ませる速度を優先した ホンダならではの味付けだと言えます。 ちなみにヤマハのシグナスX(4型)は当然ノーマルなんですが 常にエンジンの高回転領域で走る燃費を無視した レース仕様のような駆動系のセッティングなので グラフでも異常に加速が速いのですが あまり気にしない方が良いでしょう。 最大のライバルであるヤマハのNMAXとは 実用領域である時速65Km/hあたりまでは PCXの方が速いのですが 時速70Km/hを境にだんだんと離される感じになっていますね。 実際にNMAXとPCXを横に並べて 実際に加速力を比べた事がありますが グラフ通りの結果だったので間違い無いと思います。 PCXはエンジンのトルクを生かした 実用領域での加速と燃費を両立させた セッティングになっており NMAXは燃費よりも0-100Km/hのパフォーマンスを 重視したセッティングになっていると言えますね。 ちなみに最高速度はPCXもNMAXもほぼ同じでした。 PCXでもウェイトローラーを軽くする事で NMAXと同等のタイムを出せる事は既に分かっているので PCXはエンジンの出力は高いものの 燃費を重視しすぎた駆動系の味付けにより ヤマハ勢よりも0-100Km/h加速のタイムが 遅くなっていると言えます。 つまり、ヤマハのスクーターで駆動系をチューニングしても あまり速くはなりませんが PCXで駆動系をチューニングすると燃費と引き替えに ノーマル時とは別物の加速力を得る事が出来ます。 |
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