SUZUKI アルトワークス インプレッション Vol.3 |
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I.T.L.式リアサスペンション |
FFの2WDモデルでは全てトーションビーム式になりましたが 4WDモデルだけはドライブシャフトの関係上 今でもI.T.L.式リアサスペンションを採用しています。 I.T.L.式はスズキ独自の言い方で 一般的には3リンク式と呼ばれているサスペンションなんですが このHA36S型アルトが発売される前までは 2WDモデルでもI.T.L.式が採用されていましたね。 イメージとしては一世代前の古いサスペンションという感じで 正直、 このI.T.L.式のリアサスペンションが経験上、嫌いなので 4WDモデルを買うのを躊躇していたほどでした。 実際に乗ってみるとFFのトーションビーム式と比べて 柔軟性が無い印象なので トーションビームと同じサスやショックの設定の場合は I.T.L.式の方が間違いなく 乗り心地は悪くなると思われますね。 柔軟性が無いという事は分かりやすくいえば トーションビームに太いスタビライザーを付けたような感じなので 挙動で言えばスポーティとも言えますけどね。 それでも純正サスペンションでは トーションビーム式と比べて遜色ないように 上手くセッティングされていると思います。 しかし、少しでも車高を下げようとすれば バンプラバーに接触する事が頻繁に起こり つっぱり感というかサスのストロークに 余裕がないような動きが出ます。 やはり今ではちょっと古さを感じてしまうサスペンションですね。 |
これは1G状態のリアサスペンションなんですが 2WDのトーションビーム式で言えば すでに50ミリ以上ローダウンしたような ストローク量しか残っていないので 車高を下げる余裕がない事が分かりますね。 |
ちなみに同じアルトでもFFのトーションビームでは 1G状態でこのくらいストローク量に余裕がありますよ。 ノーマルではまず底付きする事がないので そもそもバンプラバー自体もショックにしか付いていないです。 |
ストラット式フロントサスペンション |
フロント側はリアとは違い FFの2WDモデルとほぼ同じですね。 2型になっても相変わらずかなりの減衰力が効いているので ステアリングに対するレスポンスや ロールを押さえこむ力は強いのですが その分だけ突き上げ感が出るので乗り心地が悪いですね。 |
2型から変わったのかどうかは分かりませんが 今回のアルトワークスの2型では写真左側のように ショックのシャフトブーツとバンプラバーが別々になっていました。 以前のは右側のようにブーツとバンプラバーが一体型でした。 |
ちなみにABSセンサーを固定する矢印のブラケットが 2016年8月からの仕様では追加されていますが 左側の2016年8月以前のフロントショックには付いていません。 初期の頃に設計された車高調にも このブラケットが付いていないのですが 無くても特に問題は無かったです。 気になるならABSセンサーを 結束バンドでショックに巻き付けておくと安心ですね。 |
4WDモデルの旋回性能 |
リアサスペンションが違うこともあってか 2WDのアルトワークスと比べてコーナーでの挙動は 2WDモデルよりもステアリングに対しての 反応が良いように思いました。 しかも後輪の接地感も良いので 自動車としては理想的な挙動かもしれませんね。 I.T.L.式のリアサスペンションがトーションビームよりも硬い事や フロア下にあるプロペラシャフトによって 重心が低い事も関係していると思われ FFモデルよりも後輪に荷重が乗っていたり デフも効いている影響もあって 特に下り坂でのブレーキングでも 車体の姿勢が安定している印象でした。 そうなると逆にFFのようなタックインの現象を起こしずらいので コーナー侵入時にはアンダーが出やすい状況もあるのですが リアのI.T.L.式サスペンションが良い具合に頑固というか トーションビーム式よりも柔軟性に欠ける事で FFよりも限界自体は少し低めなので グリップ力が適度に破綻しやすい傾向があるように思えます。 その為、リアが粘りすぎて唐突にリアが流れだすような 危険な挙動にはならないので うまくバランスが取れているように思えました。 |