SUZUKI アルトワークス インプレッション Vol.3

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HA36Sアルトワークスのリアデフ

I.T.L.式リアサスペンション

FFの2WDモデルでは全てトーションビーム式になりましたが

4WDモデルだけはドライブシャフトの関係上

今でもI.T.L.式リアサスペンションを採用しています。

I.T.L.式はスズキ独自の言い方で

一般的には3リンク式と呼ばれているサスペンションなんですが

このHA36S型アルトが発売される前までは

2WDモデルでもI.T.L.式が採用されていましたね。

イメージとしては一世代前の古いサスペンションという感じで

正直、 このI.T.L.式のリアサスペンションが経験上、嫌いなので

4WDモデルを買うのを躊躇していたほどでした。

実際に乗ってみるとFFのトーションビーム式と比べて

柔軟性が無い印象なので

トーションビームと同じサスやショックの設定の場合は

I.T.L.式の方が間違いなく

乗り心地は悪くなると思われますね。

柔軟性が無いという事は分かりやすくいえば

トーションビームに太いスタビライザーを付けたような感じなので

挙動で言えばスポーティとも言えますけどね。

それでも純正サスペンションでは

トーションビーム式と比べて遜色ないように

上手くセッティングされていると思います。

しかし、少しでも車高を下げようとすれば

バンプラバーに接触する事が頻繁に起こり

つっぱり感というかサスのストロークに

余裕がないような動きが出ます。

やはり今ではちょっと古さを感じてしまうサスペンションですね。

 
HA36Sアルトワークスのリアサスペンション

これは1G状態のリアサスペンションなんですが

2WDのトーションビーム式で言えば

すでに50ミリ以上ローダウンしたような

ストローク量しか残っていないので

車高を下げる余裕がない事が分かりますね。

 
HA36Sアルトのリアサスペンション

ちなみに同じアルトでもFFのトーションビームでは

1G状態でこのくらいストローク量に余裕がありますよ。

ノーマルではまず底付きする事がないので

そもそもバンプラバー自体もショックにしか付いていないです。

 
HA36Sアルトワークスのフロントサスペンション

ストラット式フロントサスペンション

フロント側はリアとは違い

FFの2WDモデルとほぼ同じですね。

2型になっても相変わらずかなりの減衰力が効いているので

ステアリングに対するレスポンスや

ロールを押さえこむ力は強いのですが

その分だけ突き上げ感が出るので乗り心地が悪いですね。

 
HA36Sアルトワークスのシャフトブーツ

2型から変わったのかどうかは分かりませんが

今回のアルトワークスの2型では写真左側のように

ショックのシャフトブーツとバンプラバーが別々になっていました。

以前のは右側のようにブーツとバンプラバーが一体型でした。

 
HA36Sアルトワークスのフロントショック

ちなみにABSセンサーを固定する矢印のブラケットが

2016年8月からの仕様では追加されていますが

左側の2016年8月以前のフロントショックには付いていません。

初期の頃に設計された車高調にも

このブラケットが付いていないのですが

無くても特に問題は無かったです。

気になるならABSセンサーを

結束バンドでショックに巻き付けておくと安心ですね。

 
HA36Sアルトワークスのリアデフ

4WDモデルの旋回性能

リアサスペンションが違うこともあってか

2WDのアルトワークスと比べてコーナーでの挙動は

2WDモデルよりもステアリングに対しての

反応が良いように思いました。

しかも後輪の接地感も良いので

自動車としては理想的な挙動かもしれませんね。

I.T.L.式のリアサスペンションがトーションビームよりも硬い事や

フロア下にあるプロペラシャフトによって

重心が低い事も関係していると思われ

FFモデルよりも後輪に荷重が乗っていたり

デフも効いている影響もあって

特に下り坂でのブレーキングでも

車体の姿勢が安定している印象でした。

そうなると逆にFFのようなタックインの現象を起こしずらいので

コーナー侵入時にはアンダーが出やすい状況もあるのですが

リアのI.T.L.式サスペンションが良い具合に頑固というか

トーションビーム式よりも柔軟性に欠ける事で

FFよりも限界自体は少し低めなので

グリップ力が適度に破綻しやすい傾向があるように思えます。

その為、リアが粘りすぎて唐突にリアが流れだすような

危険な挙動にはならないので

うまくバランスが取れているように思えました。

 

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