SUZUKI アルト F エンジンルームの防音処理 Vol.3

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アイドリング時 車内 ↑:ノーマル  ↓:防音処理後

アイドリング時の車内の音声

ノーマル時    防音処理後 (ループで聞くと分かりやすいです)

それでは最後に防音処理を施した効果を

私の個人的なインプレッションではなく

実際に収録してきた音声や

視覚的にも分かるようにデータを使って解析したいと思います。

音声の収録は車内の運転席(顔の位置)で収録していますよ。

同じ写真の中でも上下に波形が表示されていますが

上側が左マイク(左耳)で下が右マイク(右耳)です。

まずはアイドリング時の音量を示す波形と音圧の数値ですが

ノーマル時の音圧は-27dB~-25.5dBですが

防音処理後では-29dB~-27.5dBという結果になりました。

つまり単純に約2dBほど車内の騒音が下がった事になります。

 

アイドリング時 車内 ↑:ノーマル  ↓:防音処理後

アイドリング時の車内騒音

ノーマル時    防音処理後

次は先ほどと同じ音声なんですが

スペクトラムを表示にて防音効果が現れた周波数帯を分析します。

というのも、不快に思う騒音は単純に音量だけでなく

音の周波数が大きく影響しているからです。

まず目立つのは500Hz以下の領域において

ノーマル時では黄色い部分が目立ちますが

防音処理後は明らかに黄色い部分が減っているので

500Hz以下の主に低音の領域を減衰出来た事が分かりました。

あと気になるのは

ノーマル時の2000Hzと2500Hzの領域において

強く出ている部分がありますが

防音処理後では目立たなくなっています。

実際に収録した音声を聞いても

音に丸みが出ているのが分かりますね。

 

4000回転時の騒音 ↑:ノーマル  ↓:防音処理後

 

停車中4000回転時の車内音声

ノーマル時の騒音後に防音処理後の騒音が流れます

次は停車中にエンジンを4000回転で

一定に回した時の車内の騒音です。

こっちの方が実際に走っている時の

エンジンルームからの騒音に近いです。

波形を見ても上下の幅が

明らかに小さくなっているのがわかりますね。

ノーマル時は-11dB前後といった所ですが

防音処理後では-13.5dB前後になっているので

2.5dBほど音量が小さくなっています。

 

4000回転時の騒音 ↑:ノーマル  ↓:防音処理後

 

停車中4000回転時の車内音声

ノーマル時の騒音後に防音処理後の騒音が流れます

先ほどと同じ音声ですがスペクトラムで表示しています。

ごく低音域以外の広い周波数帯において

全体的に減衰している事が分かりますが

特に目立つのは2000Hz~4000Hzの減衰ですね。

あとノーマル時に強く出ている

1800Hz、4300Hz、8000Hz、125000Hzの騒音も

減衰出来ているのが分かりました。

ちなみに今回収録した防音処理済みの音声は

バルクヘッドのインシュレーターを付けていない状態なので

実際にはもう少し静かになると思われます。

 

防音処理後の走行インプレッション

防音処理を施したアルトを実際に走らせてみると

NAのアルトでは3000回転あたりから

エンジンの騒音が目立つようになりますが

エンジンルームからの騒音に集中しながら感覚だけで走ってみて

だいたい2500回転くらいだろうと思う時に

タコメーターを見ると3000回転ほど回っていました。

従来よりも500回転ほど低い騒音になった事で

まるでエンジンパワーが上がったかのような錯覚に陥りますが

タコメーターを付けていないNAのアルトでは

耳からの感覚だけで走ると

以前よりも回し気味になるので

燃費が悪くなってしまう可能性がありますね。

今回施した防音処理は

エンジンルーム内の音はなるべく外には漏らさないという

普通車では当たり前にやっている事をやっただけなので

それを全く行っていないNAのアルトFでは

防音処理の効果は想像以上に大きかったと言えます。

 
  
 
 
 

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