YAMAHA シグナスX SR ボスワッシャーと加速の関係 Vol.1

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今回は、シグナスX4型のボスワッシャーを外した時と付けた時との

加速の変化を調べてみます。

ボスワッシャーの役割は、プーリーとドライブフェイスとの隙間を

微調整するスペーサーで、隙間が広いとVベルトが深く落ち込むので

ギア比全体がローギヤード側に移行します。

逆に、ワッシャーを外して隙間を狭くすると

Vベルトがプーリーのより外側まで移動する事が出来るので

ギア比全体がハイギヤード側に移行します。

 

ボスワッシャーありと無しでのギア比(エンジン回転数の違い)

を調べてみました。

ちなみに、今回の計測データは全て13gのウェイトローラーを

使った時のデータです。

スタートダッシュ時の写真ですが、ワッシャーありの方が

すでに約500回転ほど高く回っていますね。

やはりギア比がローギヤードに移行してギア比が軽くなった分

エンジン回転の上がり方が速いです。

 

ワッシャーありの方は最高出力の7500回転に到達した時の

時速は83Km/hでした。

つまり、この速度領域までは

ワッシャー有りの方が速い事が分かります。

でも、スピードメーターを見てもワッシャー無しと同じ

速度だったのですけどね・・

しかし、ワッシャー有りの方が

微妙に速度があがるタイミングが早かったです。

体感的にもワッシャー有りの方がトルクを感じるので

坂道や向かい風の時には違いが出ると思われます。

やはり純正ボスワッシャー1枚で約500回転分ギア比が

シフトする事が分かりますね。

 

ワッシャー無しが最高出力の7500回転に到達する

時速は90Km/hでした。

ここからの領域ではワッシャー無しが優位になる領域です。

ワッシャー有りではエンジンが回りすぎて

出力が低下していく領域です。

 

時速100Km/h時のエンジン回転数です。

ワッシャー有りの方は9000回転も回っていて

もうぜんぜん余裕がない状態ですね。

ワッシャーを外した方は、8500回転で

やはり500回転分ギア比が重くなっています。

この状態で持続して走るとなると

ワッシャー無しの方がエンジンに優しく燃費も良くなりますし

エンジンの出力的にもパワー(余裕)があります。

 

ボスワッシャーによる最高速度の変化

13g ワッシャー無し 最高時速100Km/h (32.46秒で到達)

13g ワッシャー有り 最高時速100Km/h (43.59秒で到達)

両方とも時速99Km/hまでは、ほぼ同時に約28秒で到達するのですが

そこから1Km上げるのには、ワッシャー無しの方が早いですね。

やはり、最高出力を大幅に超えてエンジンが回っている

ワッシャーありの方は、時速90Kmを越えた領域辺りから

加速力に勢いがなくなってくるのに対し

ワッシャー無しの方が、エンジンの回転数が500回転分低いので

ほんの少しだけ余裕があります。

 

もし、125ccのバイクで高速道路を走れるとしたら

間違い無くメーカーはボスワッシャーを外して

販売してくると思われますが

高速道路以外の一般公道しか走らない事を想定するなら

時速60km/h前後でもっともエンジンパワーを発揮出来るように

しないといけないのでボスワッシャーを噛まして

ギア比を微調整しているのだと思います。

 

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