HONDA CBR600RR 動力性能の検証 Vol.2

HOME - GARAGE - CBR600RR - Engine performance

CBR600RR(8BL-PC40)電子制御

電子制御と加速力の関係

フラットな路面での直線加速においては

600ccのCBR600RRでは2速に入ってからは何も起きないので

電子制御がもっとも影響するのが

1速目の加速だけで完結する0-100Km/h加速なんですが

何十回と0-100Km/h加速を計測した所

もっとも速いタイムだった設定は結果的にP:1 T:2 W:3でした。

Wのウイリーコントロールの数値に関しては

ある程度の体重(75Kg前後)がある方だと

フラットな路面ではW:1~3まであまり変わらない印象でしたが

体重が60Kg前後の軽い方だと

よりフロントが浮きやすくなると思われるので

Wの数値が加速力に強く影響する可能性はありますね。

エンジン出力が変わるP(パワーセレクター)の数値が

もっとも加速に影響すると思いきや

Tのトラクションコントロール(トラコン)の介入度合によって

結果が大きく左右されたので

P値よりもトラコンのT値の方が結果的に

0-100Km/h加速のタイムにもっとも影響を及ぼしました。

トラコンの介入を抑える為には

全体重をフロントタイヤに掛ける姿勢をとり

フロントをいかに浮かさないように加速するかが重要です。

なので総合すると0-100Km/h加速を

もっとも速く走れる電子制御の設定は

P:1 T:1 W:1の可能性が高いのですが

ライダーの体重など

様々な環境の影響によって結果は変わります。

 
CBR600RR(8BL-PC40)加速力の比較

左:P1・T2・W3  右:P1・T2・W3

次は実際に走行した

0-100Km/h加速の動画を直接比べる事で

電子制御の設定による加速力の違いを直接比較したいと思います。

まずはもっとも速く0-100Km/h加速が出来た

全く同じ電子制御の設定で加速力の違いが生じた例です。

以後、全ての車両はアイドリング回転数から全開加速をして

3000回転時に2つの動画を同期させているので

クラッチミートする回転数の違いや

アクセルレスポンスの違いが影響しないようにしています。

ちなみに速度計は読み取りタイミングが遅い為

リアルタイム性に欠けるので無視して下さい。

同じ電子制御の設定という事もあり

13000回転時まではピッタリ同じ回転数なので

全く同じ加速力でしたが

ここで真っ先に右の車両は電子制御(トラコン)の介入を示す

Tのランプが光りました。

最高トルクが発生する11500回転から

最高出力が発生する14250回転の間では

車体のフロントタイヤが浮こうとするので

電子制御が介入する領域になります。

 

右の車両の方が少し早め(長め)の時間

トラコンの介入を示すランプが光った結果

14000回転付近では約300回転程度

回転数が低くなっている事が分かりますね。

全く同じ電子制御の設定でも

ちょっとした何かの影響によって電子制御の介入に差が生じるので

何十回と0-100Km/h加速を繰り返えして

その時の気象、路面やタイヤの温度に合った

もっともベストな電子制御の設定を見出しても

次に加速した時には大外しはしないものの

ベストな加速が出来るとは限らない所が

電子制御のやっかいな所ですね。

 
CBR600RR(8BL-PC40)加速力の比較2

左:P1・T9・W3   右:P1・T2・W3

次はTのトラクションコントロールレベルの違いによる

加速力の違いを試していますが

パワーバンドには乗っていない10000回転までは

電子制御の介入は無かったので全く同じ加速力です。

 

パワーバンドに乗ったあたりからは

T:9の左の車両ではTのランプが光り続けましたが

その結果、右の車両が14000回転に到達した所では

左の車両では500回転ほど低い回転数になってますね。

つまり、直線加速においては

Tの数値を上げれば上げるほど

強制的にスロットルを戻される時間が長くなってしまうので

遅くなる傾向がありました。

さすがにT値が最大の9だとフロントが浮く気配がなく

何も起きないので安全なのは確かですが・・

 

Vol.1 > Vol.2 > Vol.3