TROMOX UKKO S Lite 動力性能の検証 Vol.1 |
今回はUKKO S Liteの動力性能だけに的を絞り 他の電動バイク等と比較する事で UKKO S Liteの加速力を可視化しました。 |
最高速度 |
まずはもっとも加速性能が高いSモードでの最高速度は メーター読みで98Km/hで GPSの速度計では約94Km/hでした。 UKKO S Liteでは後輪を浮かせて空回しすると 時速98Km/hでスピードリミッターが掛かるので そこがモーターの最高回転数という事になりますが それを人が乗って実走させても 同じ速度まで到達する動力性能がありました。 |
次はUKKO S Liteの最高速度のリミッターに合わせて 0-98Km/h加速のグラフを作りましたが 縦が秒で横が速度です。 走行モードの違いによる加速力の差や バッテリーが50%程度まで落ちた時の加速力を載せていますが 体を伏せずにリラックスした姿勢での走行です。 UKKO S Liteの気温21度での 0-98Km/h加速のタイムは19.6秒でした。 リチウムイオンバッテリーは気温によって電圧が変わるので 20度以上ないと性能をフルに発揮出来ませんし 10度を下回るような気温では最高速度も 約10Km/h前後ほど落ちます。 Dモードは60Km/h、Eモードは30Km/hでリミッターが掛かるので 途中でグラフが終わっていますが 走行モードの違いはスピードリミッターだけでなく 加速力自体も大きく違いが出ていますね。 基本的に加速力はバッテリー残量に比例するので 残量が減れば減るほど確実に加速力は衰えていきますが Sモード(バッテリー残量は約90%)の黒線と バッテリーが半分ほど減った赤線を比較すると 時速70Km/hあたりまでは 加速力がほとんど変わらない事が分かります。 これはバッテリー残量が10%を切るあたりでも ほとんど同じ傾向だったので そういう状況でも時速80Km/hくらいまでは出す事が出来ました。 なのでバッテリー残量が0まで走り続けると 緩やかに最高速度が落ちるのではなく 急にアクセルが反応しなくなります。 |
次は他の電動バイクと加速力を比較したグラフです。 ノーマルのTCワンダラーとMINO-Bでは UKKO S Liteに対抗出来る性能ではなかったので TCワンダラーではタイヤ外径を小さくしてローギヤード化し MINO-Bでは前後のスプロケットを変更して ローギヤード化しています。 MINO-BやTCワンダラーのような 実走ではモーターの最高回転数まで回せない車両では 乗る人の体重に合わせてローギヤード化させる事で 最高速度と加速力の両方を改善出来ます。 車両の区分としては TCワンダラーとUKKO S Liteが原付2種で ホンダのEM1e:とMINO-Bが原付1種になりますが このグラフを見ると原付1種や2種の区分は 最高速度に影響しているだけで 加速力には全く関係がない事が分かりますね。 ローギヤード化したMINO-Bは スタートダッシュ力がエグ過ぎるというか 時速30Km/hまではUKKO S Liteよりも速い事が分かります。 このスタート時の加速力の差はモーター自体の出力よりも スロットル開度に対しての出力特性の違いが大きく影響するので MINO-Bではアクセルを開けると同時に 過敏過ぎるようなレスポンスでモーターが回りますが UKKO S Liteではアクセルの開け初めがMINO-Bよりも マイルドな制御になっているので スタートダッシュ力では負けてしまいました。 TCワンダラーではさらにUKKO S Liteよりもマイルドというか ふわっとした優しい制御になっています。 唯一の国産車であるホンダのEM1e:を見てみると 時速20Km/hまではTCワンダラーよりも 加速力が上回っていますが EM1e:も停車時からアクセルを開けた瞬間に ドカンと感じる粗いトルク感があるので スタート時の加速にはその粗い制御が 有利に働いているようです。 ちなみにEM1e:はメーター読みの最高速度が49Km/hだったので グラフの19秒は時速49Km/hに到達した時のタイムです。 MINO-Bに関してはSモードだと全域で スロットルに対して加速するレスポンスが過敏なのですが EM1e:に関しては粗く感じるのはスタート時だけで 一端走ってしまえば角が取れたマイルドな制御で扱いやすいです。 なので同じTROMOX社のバイクでも MINO-Bよりも後出しのUKKO S Liteでは スロットル開度に対して若干角が丸まった 扱いやすい制御になったと言えますが それでも他社と比べればそこそこ尖った加速感がありますね。 |
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