SUZUKI GSX-8R 動力性能の検証 Vol.1 |
今回はGSX-8Rのエンジンの加速力に的を絞り 動力性能を可視化してみたいと思います。 |
エンジン回転数のレブリミット |
まずはエンジンを回せる限界の回転数を調べました。 レッドゾーンは9750回転からですが 実際に回せる最高回転数は1万回転で その時の速度が86Km/hでした。 レッドゾーン付近だと1速80Km/hあたりになるので ギア比的にはまあまあ軽めですね。 |
最高速度 |
次は最高速度を調べましたが リラックスした姿勢で走った場合は メーター読みで207Km/hで GPSの速度計では約198Km/hでした。 GSX-8Rではウインドスクリーンの高さが低めなので リラックスした姿勢だと風圧がそこそこキツく どうしても体を伏せたくなるので もう少し風防効果が高い 純正よりも長めのウインドスクリーンが欲しい所ですし スクリーンを交換する事で 簡単に最高速度は上がると思います。 |
次は体を燃料タンクに伏せた状態での最高速度ですが メーター読みで215Km/hで GPSの速度計では約205Km/hでした。 ギア比的にもしっかり使い切っている感じなので 6速目もクルージング用のギアではなく 1速~6速全てが最高速度に合わせた 加速力重視のギア比になっている事が分かります。 高速領域におけるスタビリティに関しても 特に問題は無かったので サーキットでも安心して加速が出来ると思います。 |
0-100Km/h加速 |
次は0-100Km/h加速をグラフにしてみました。 加速力を比較する為にもタイムが近い ミドルクラスからリッタークラスの車両のデータも載せています。 ここでのレギュレーションとして 実用的な加速力を調べる為に スタート時にクラッチを繋げるエンジン回転は 2000回転までに制限しています。 黒線のGSX-8R(SDMS:A TCS:1)の 0-100Km/h加速は約3.4秒でした。 このタイムは歴代1位タイの記録で ホンダのレブル1100DCTと同タイムでしたが グラフを見ても抜きつ抜かれつのデッドヒートを 繰り広げている事が分かります。 GSX-8Rの800ccの排気量という所を考慮すれば 快挙とも言える記録ですね。 その要因の一つとしては やはり2気筒エンジンという事で 低回転域から力強いトルクを発生させられる所なのですが 逆にそれが原因でフロントタイヤが 浮きやすいという短所とも言える特徴があります。 しかし、1465mmという少し長めのホイールベースが 車体のウイリーを抑えるのに貢献していますし 0-100Km/h加速においては 何よりギア比がもっとも重要なので ちょうど2速のパワーバンドあたりで 時速100Km/hに到達する事が出来る 0-100Km/h加速に最適なギア比な所も 良いタイムが出せた要因だと思います。 さらにクイックシフターによる ロスの無いシフトアップも重要ポイントですね。 それらの0-100Km/h加速に必要な要素は 今まで1位の記録を保持している レブル1100DCTにも全く同じ事が言えるので 共通点は以外と多いのですが この2台の決定的に違う所は重量とトルク、あとは空力性能ですね。 レブルは1100ccエンジンによる力強いトルクを発生させますが GSX-8Rよりも25Kgほど重量が重い短所もあり その事がスタートダッシュ時に GSX-8Rがレブル1100をリードしている 要因の一つになっていると思います。 あと重要なのが空力性能なんですが レブル1100はネイキッドモデルという事もあり 空気抵抗が影響し始める時速90Km/hあたりから 加速力が若干鈍っている事で 最終的にGSX-8Rと同タイムになっている事が分かります。 |
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