SUZUKI GSX-8R 動力性能の検証 Vol.2 |
TCSと加速力の関係 |
左:TCSレベル3 右:TCSレベル1 次はGSX-8Rの電子制御と加速の関係を調べました。 アイドリング回転数から全開加速をした TCSレベルの違う車両の動画を2000回転時に合わせています。 これから加速力がどう変化するのかを 1速のレッドゾーンまで見ていきたいと思います。 |
左のTCSレベル3の車両では既に TC(トラクションコントロール)のランプが点滅しているのに対し 右のTCSレベル1の車両は全く点灯していないので 既に500回転近くエンジン回転数に差が出ていますね。 ちなみに速度計は読み取りタイミングの違いがあるので 今回は無視して良いです。 |
GSX-8Rでは最大トルクが6800回転で発生するので その付近の回転数になれば TCSレベル1の車両でもTCランプが点滅し始め 最終的にTCS3とTCS1の車両では 最大で500回転ほどの差が生まれました。 |
TCSレベル3では既に2500回転付近で TCランプが光っています。 ごく低速域においてTCSが過剰に介入すると エンストしたかのように車体が前に進まなくなったりするので 立ちゴケをしてしまう危険性があるのですが スズキ車のTCSにおいては 今の所、そのような事は起きた事がないのですが 未舗装路の滑りやすい路面を走る場合など 不意なTCSの介入を防ぐには TCS:1 SDMS:Cの組み合わせの方が より安全に走れる可能性が高いですね。 |
TCSレベル1では6000回転過ぎで 初めてTCランプが光りましたが TCSレベル1でも最大トルクが発生する6000回転過ぎから 最大出力が発生する8500回転あたりまでの領域では フロントが浮くのを抑制してくれます。 ちなみにスズキ車の場合は別メニューを開かなくても 簡単にTCSをオフに出来ますが やはりオフにしてしまうとフロントが浮き過ぎてしまうので 結局はアクセルを緩める事になりますし フロントが浮いている間は ラインの変更が出来なくなるので危険ですね。 |
ドライブモードによる加速力の違い |
次はアイドリング回転数から全開加速をした SDMSのドライブモードが違う3台の動画を 2000回転時に合わせているので その後の加速力を見ていきたいと思いますが TCSレベルは3台ともレベル1です。 |
今回も速度計は無視して よりリアルタイムに動くエンジン回転数を見ていきますが やはりA、B、Cの順にエンジン回転数が高い事が分かります。 |
Aの車両にTCSが介入している事が分かりますが その為なのか、Bとほぼ同じエンジン回転数になっていますね。 Cは明らかに500回転ほど遅れています。 |
1速レッドゾーン付近ですが AとBモードはほぼ同じですが TCSが全く介入してこなかったCが追いついてきていますね。 |
2速に入れて時速100Km付近ですが 最終的にはAからCまで、ほぼ同じ回転数になりました。 つまり、SDMSのA・B・Cの違いは 主にアクセルレスポンスの違いだけなので エンジンの最高出力はどれも同じようですね。 走り初めにエンジン回転数の差が出たのは レスポンスの違いにより スロットルの開き具合に差が生じた為だと思います。 やはり、SDMSの走行モードの違いよりも TCSの介入具合がもっとも加速力に影響した結果でした。 当然、アクセルオンオフを繰り返すような状況では SDMSのA・B・Cの差は大きく出るものの 尖った加速をするAモードはその分 TCSが介入しやすいので Aよりも少し穏やかな加速曲線のBの方が 速く加速出来てしまう事がちょくちょくありました。 |
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