ダイハツ エッセ インプレッション!

エッセの簡単なデータ

L235S ESSE (小売価格税抜き65万円)
グレード ECO 5MT 2WD
ホワイト
装着純正オプション リアスポイラー
全長・幅・高 3395mm/1475mm/1470mm
ホイールベース 2390mm
車両重量 700㎏
エンジン出力・トルク 58PS/7200rpm 6.6kg・m/4000rpm
圧縮比 10.8
燃料消費率10・15モード 26㎞/L

注目すべき所は~

1.低い価格

セカンドカーとしても余裕で手が届くレベルの価格ですね。
中古車を買うつもりでこのエッセなら新車が買えてしまいます。
ただ~し・・装備は最低だと思ってください・・集中ドアロックすら付いていませんから・・
サイドミラーも手を伸ばしてグイッと曲げるタイプです・・軽トラですね・・
私が車に求めている装備はエアコンだけなので問題ないですが。

2.低い全高

最近の自動車のほとんどは1500㎜を越える全高が当たり前の時代ですが
このエッセは全高を低く押さえてあります。スポーツ走行にはとても有利ですね。

3.軽い車体

すでに最初から700㎏ということで少し軽量化すれば簡単に600㎏代という
現代では超軽量な車両の部類に入ります。これもスポーツ走行に有利な事は言うまでもないですね。

4.新型エンジン

この新型エンジンの実力は下にも書いてますが現在
軽自動車NA最速エンジンでしょう。
軽量化されたピストンやコンロッド、ブロックを見ると
まるでホンダのタイプRのエンジンかと思うくらいですよ。
感動的な高回転域での伸びは体感出来ないけど
低回転域から高回転域まで、ムラのないトルク感を味わえて
このエンジンの優秀さが伝わってきますね。

5.燃費

私が実際に走行したデータでも普通にリッターあたり20㎞を越えます・・
ほんとに恐ろしい燃費です・・イニシャルコストも安いしランニングコストも安い・・
もちろん軽自動車だから保険も税金も安い・・バイク感覚で気軽に乗れる車だと思います。

6.意外と豊富なパーツ類

Dスポーツというダイハツ直系のメーカーからもなぜか豊富にパーツが出てます・・
軽自動車だとコペンの次に多いんじゃないかな・・
メーカー側もレースベース車両としてエッセを見ている証拠でしょう。
軽自動車は基本的にプラットフォームを全車種共有しているので
他のダイハツ車からもかなり流用できます。
LSDもちゃんとありますよ・・ほぼなんでも手に入ると思います。

 

商用車の裏返しはレースベースカー

とにかくコストが徹底的に削減されているわけですから

快適装備は必要最小限に抑えてあります・・

この考え方が商用車とレースベースカーとの最大の共通点なのです。

まずABSが装備されていません・・購買意欲がどんどん沸いてきます・・

MT仕様です・・今ではすっかり珍しくなりましたね・・住みにくい世の中になったものです。

パワステが油圧式です・・ん~レーシーですね~いっその事パワステ無しでもよかったかな・・

パワーウィンドウとエアコンは付いてます・・普段の街乗りにも使えますね~

サイドミラーも手動で調整、折りたたみ・・好みのミラーに気軽に簡単に取り替えられますね~

集中ドアロックが付いていません・・これはどうしようもないですね・・手でちゃんとカギを掛けましょう。

普通の人にとっては不便な事でも、チューニングしてサーキットを走らせる人にとっては

好都合だったりします・・ピンチはチャンスなんです・・そういう事にしておいてください。

世の中ではMT車が減少している最中、なんとこのエッセはMTが選べるグレードが

マイナーチェンジ後、増えているではありませんか・・

現在、エコに続きLグレード、カスタムでMTが選べます。

 

走った感じは~

エンジンを始動した瞬間、大きな振動が襲ってくる・・

走り出した瞬間、あらゆる音が容赦なく車内に入ってくる・・

あ~そういえば昔の車はこんな感じだったかも・・

そんなレトロな雰囲気さえ感じさせてくれる・・超アクティブ思考かもしれないが・・

縦に立ったフロントスクリーンもクラシックな雰囲気を盛り上げる。

これがなかなか視界の良さに貢献していて見切りも良い。

初心者でも非常に運転しやすい車だと思う。

シフトフィーリングが予想より意外に良かった。滑らかにシフトが入るという感じではないが

ワイヤーではなくシャフトでミッションまでリンクさせているので結構しっかり感があるのだ。

新型エンジンはアクセルを少し踏めば十分に加速してくれる。

2500回転辺りまでなら平たんな道だとターボ車よりもむしろ力強く感じる。

結構パンチの効いたエンジンだと思う。

コーナーリングは軽量なボディの良さが出ていて、実に軽やかに曲がってくれる。

しかしロールはかなり大きい・・

ステアリングを切った瞬間から大きく傾く・・

とても高速道路を安心して走れる足ではない。

NAだから基本的にトルクが薄いのでコーナー立ち上がりでアクセルを踏み込んでも

イヤなトルクステアがほとんど出ないので、FFらしからぬ気持ちよくコーナーを抜けられる。

非力なエンジンとFFレイアウトとの相性は抜群だとつくづく思う。

乗り心地はめちゃくちゃいい・・今まで乗ってきた軽の中で一番だと断言してもいい。

クラシックでのどかな雰囲気と力強い最新のエンジン・・

そんなエッセの世界観を一度体験して欲しいと思う。

 

高速道路では・・

ギア比的には時速100㎞で3600回転前後回ってる感じですね・・

まあ一般な軽自動車って感じですね。

5速2000回転くらいで静かに巡回するなら時速60㎞しかでません。

スピードメーターを振り切る時速140㎞に到達することは出来る性能を持ってますが

正直、100㎞くらいから加速がかなりしんどくなりますね~

しかも坂道になると5速じゃ失速します。

4速でエンジン音を荒げながら加速しないといけません。

正直、高速道路はやっぱり過給器が欲しい所です。

しかも、ノーマルだとまず足まわりの不安が先に来るかと思います。

右車線をクルマが通り過ぎるとたぶん振られるでしょう。

やっぱり軽自動車で高速道路を快適に走るには

CVT+過給器の組み合わせが必要になってきますね。

 

山道走行では・・

実際にいつもの山坂道にエッセを持っていってデータを取りました。

過去のデータと比べた結果、いつものコースの中で

一番長いストレートで三菱アイより2㎞/hほどスピードが伸びた・・

アイより高い速度を維持してコーナーを曲がれた結果ですね。

ターボ車に劣るとしたら低回転域での坂道加速くらいでしょうか・・

やっぱりターボ車の方がトルクがある分、坂道には強いのです。

しかしエッセでも2速を使うことなく、3速で十分に山坂道を上っていけます。

まあダイハツ車なんですがイメージ的にスズキと比べて保守的な感じがするのですけど

良くも悪くもイメージ通りな感じで、ステアの切り初めに対してワンテンポ遅れた感じで

頭の向きが変わって、しかもテールがモサッと後からついてくる感じですね。

それでも圧倒的な軽さのおかげでいったん切り始めると後は気持ちよく曲がってくれます。

テールの限界特性は、程よく横Gを逃がしてくれるコントロールしやすい特性ではなく

横Gを貯め込んで限界点まで来たら一気にリアがスーっと流れる感じです。
(土屋さん風に表現すると1.2.3.4.5.7!9!10!みたいな・・唐突です。)

これは軽自動車によくある傾向で、やはりトレッドに対して

ホイールベースが長すぎるからではないでしょうか。

エッセの圧倒的な軽さと、最新のパワフルなNAエンジンの組み合わせ・・

あとカスタマイズの幅の広さ(パーツの豊富さ)は必見です。

そんな無限の可能性を秘めている所が

スポーツ走行好きの視点から見たエッセの魅力かもしれません。

値段あたりの性能からすると新車で買える軽自動車で最速かもしれません。

 

モドル