HONDA VFR800F 動力性能の検証

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VFR800F(RC79)エンジン

今回はVFR800Fのエンジンに的を絞り

動力性能を可視化してみたいと思います。

 
VFR800F(RC79)VTECの作動エンジン回転数

VTECの作動回転数

VFR800Fでは2段階のVTEC機構を備えているので

2バルブから4バルブに切り替わりますが

その回転数は7000回転で

1速では時速60Km/hあたりからになります。

VTECが動作してもヤマハの可変バルブVVAのように

メーターパネルに文字が表示される事はありませんが

明らかに排気音が変わるので分かります。

 
VFR800F(RC79)エンジン回転数のレブリミット

エンジン回転数のレブリミット

まずはエンジンを回せる限界の回転数を調べましたが

レッドゾーンは11750回転からですが

実際には12750回転あたりまで回せたので

レッドゾーンからレブリミットまでは

かなりの余裕がありますね。

その時の速度は1速でちょうど100Km/hでしたが

レッドゾーンを越えるとエンジン出力は落ちるので

回しても全く意味が無いのですが

2速に上げる事なく時速100Km/hに到達出来る事は

0-100Km/h加速において相当有利になりますね。

 
VFR800F(RC79)最高速度

最高速度

次は体を伏せずに出来るだけリラックスした姿勢で走った場合の

最高速度を調べましたが

メーター読みで232Km/hで

GPSでの速度計では約217Km/hでした。

速度の伸びが頭打ちするのは

ちょうど5速ギアを使い切る回転数でしたが

そこから6速に入れると僅かに速度が上がりました。

この事からも加速が続くのは5速を回しきった所までなので

6速目はクルージング用のギアだと言えますね。

時速200Km/hを越える高速領域でのスタビリティに関しては

ステアリングダンパーなどの装備は付いてないのですが

意外と安定していて

不安な要素は特にありませんでした。

 
VFR800F(RC79)0-100Km/h加速

0-100Km/h加速

次は0-100Km/h加速をグラフにしてみましたが

加速力を比較する為にもタイムが近い

ミドルクラスからリッタークラスの車両のデータも載せています。

ここでのレギュレーションとして

公道において実用的な加速力を調べる為に

スタート時にクラッチを繋げるエンジン回転は

2000回転以下に制限していますが

VFR800F(黒線)の0-100Km/h加速は約3.6秒でした。

グラフを見ると時速50Km/hまでは

ヤマハのMT-09と全く同じ加速力なので

グラフの線が重なっていますが

時速70Km/hからはスズキのGSX-S1000と

グラフの線が重なっていて

時速90Km/h以降で僅かに0.1秒の差で負けていますね。

つまり、VFR800Fは4気筒の800ccにも関わらず

低い回転数から加速をした

実用的な0-100Km/h加速においては

リッタークラスとほぼ同じ動力性能を持っているので

想像以上に速かった結果でした。

その速さの理由は主に2つあると思いますが

まずは1速目のギア比が

0-100Km/h加速において適切だった事で

2速に入れる事なく時速100/Kmに到達出来た事と

もう一つはTCSの電子制御が介入する事なく

100%のエンジンパワーを路面に伝える事が出来た事ですね。

途中でグラフが重なったヤマハのMT-09や

スズキのGSX-S1000は

どちらもVFR800Fのエンジンスペックを遙かに越えていて

尚且つ車体の重量も軽いので

パワーウェイトレシオではVFR800Fを圧倒しているのですが

どちらもパワーバンドに入るとフロントタイヤが浮いてしまう為

TCSの電子制御が介入する事で

強制的にスロットルを戻されてしまい

1速においてはエンジンパワーの100%を

路面に伝える事が出来ません。

つまり、800ccとしてはかなり重い部類に入る

一見、ネガティブとも思えるVFR800Fの重量によって

フロントタイヤの浮きを確実に抑制できたので

1速での加速が重要な0-100Km/h加速においては

重量が重い事がむしろ長所になったと言えますね。

あと、VTECが作動する時速60Km/h地点で

VFR800Fの黒いグラフの線がひょこっと顔を出して

まるで息継ぎをしているかのように見えるのは

偶然なんでしょうかね・・

 

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