このグラフの中でもっともGSX-S1000に近いライバルは
性能や価格的にもおそらくヤマハのMT-09(紫線)
になるのではないかと思いますが
最終的なタイムはGSX-S1000と全く同じタイムでした。
このレベルの加速力になるともはや
エンジンの3気筒や4気筒という違いはあまり関係なく
電子制御とどううまく付き合っていくかが重要になると思います。
GSX-S1000が0-100Km/h加速において
唯一使える電子制御はTCS(トラクションコントロール)のみです。
TCSはエンジン回転数が上がりパワーが立ち上がってくると
後輪のスリップを感知しTCランプが点滅すると同時に
スロットルが自動で閉じる事で
フロントタイヤが浮き上がるのを未然に防ぐ事が出来ます。
それを上手く効果的に使うことで
0-100Km/h加速を楽に速くする事が出来ますが
逆にTCSが効き過ぎてしまうと
過剰にスロットルを緩められるので遅くなる事もあり
その日の気温や路面温度の違いによる
タイヤのグリップレベルに合わせて
ベストなTCSのレベルに調整する必要がありますね。
ちなみに今回のテストではTCSを最大のレベル5にしても
エンジンの最大出力が出る回転数付近ではフロントタイヤが浮きましたが
フロントタイヤが浮いている時間が長くなればなるほど
より後輪との回転差が生まれるので
TCSがより強く掛かるようになり
アクセルを強制的に閉じられるので
最終的にはフロントタイヤがストンと地面に落ちます。
つまり、しっかり前輪に体重を乗せて
TCSさえしっかり効かせていれば
危険な角度までウイリーする事はまず無いので
安心してアクセルを開けられます。
理想的なもっとも速い加速は
フロントタイヤが地面からほとんど浮くこと無く
フロントフォークが伸びきった状態で走るのがベストなので
繊細なアクセルコントロールをするよりも
TCSのレベルをその時々のタイヤのグリップレベルに応じて
調整した方が楽に速く安定して走れます。
ちなみに今回はTCSのレベルを変えつつ数本走りましたが
路面温度があまり高くない冬場では
TCSレベルは3あたりがもっとも安定していてタイムが良かったです。
TCSレベル5ではさすがにタイムアタックをするには
安定方向に制御しすぎなので
スロットルを少し強めに緩められている感がありますが
普段街乗りをする場合は逆にとても頼りになると思います。 |